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授業の概要(ねらい) |
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人間は常に理性的ないしは合理的に意思決定を行うものではなく、多くの判断を直感に頼り、時には判断の誤りが生じることもある。しかし、一見非合理的に見える意思決定の背後には、進化や適応の観点から合理性があることも指摘されている。この授業では概説書や関連論文の講読を通して、人間の社会的意思決定の基礎とその背後にある進化及び適応的合理性について学ぶ。
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2. |
授業の到達目標 |
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・人の社会的意思決定に関する研究の理論や方法論の知識を他者に説明することができる。 ・レジュメの作成や発表など、文献の要点をまとめて他者に伝える方法を身につけることができる。 ・自分の関心にあう文献を探し、自発的に情報を調べることができる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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以下の点を基に評価する。 ・発表担当時の場合、テキストの内容をまとめたレジュメに誤りがないか、他の受講生にもわかるようにまとまっているか(70%) ・議論に参加しているか(30%)
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4. |
教科書・参考書 |
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テキスト: ゲルト・ギガレンツァー(小松淳子 訳)(2010)『なぜ直感のほうが上手くいくのか―「無意識の知性」が決めている』 インターシフト 更に、進行に応じて、テキストと関連する文献をいくつか選んで読む予定である。 参考書: 友野典男(2006)『行動経済学―経済は「感情」で動いている』 光文社 シーナ・アイエンガー(2014)(櫻井祐子 訳)『選択の科学』 文藝春秋
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5. |
準備学修の内容 |
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発表担当者は特に担当の章をじっくり読み(原注にまで目を通しておくことを期待する)、他の受講生にも分かるように内容をまとめる。加えて、議論したいポイントを押さえておく。 発表担当者でなくても、授業で扱う章を事前に読んでおくこと。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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発表者は、担当章の内容をまとめたレジュメを用意してくる。レジュメは予め人数分を必ず用意しておくこと。 発表や議論の時間を計算に入れて、明瞭な内容を心がけること。 履修前にテキストの目次をよく見て、自分の興味対象に合うかを確かめておくこと。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | ガイダンス、テキストの紹介、発表担当者の割り振り(グループ分け) | 【第2回】 | レジュメの作り方、文献の探し方 | 【第3回】 | 学生による発表(1章:直感という近道) | 【第4回】 | 学生による発表(2章:(ときには)少ないに越したことはない) | 【第5回】 | 学生による発表(3章:直観はどう働くか?) | 【第6回】 | 学生による発表(4章:進化した脳) | 【第7回】 | 学生による発表(5章:複雑で不確実な環境に適応する) | 【第8回】 | 学生による発表(6章:優れた直観は、なぜ論理に勝るのか?) | 【第9回】 | 学生による発表(7章:知名度の効果と評価) | 【第10回】 | 学生による発表(8章:もっともな理由はひとつだけでたくさん) | 【第11回】 | 学生による発表(9章:医療では少ないに越したことはない) | 【第12回】 | 学生による発表(10章:道徳的な行為と直観) | 【第13回】 | 学生による発表(11章:社会本能) | 【第14回】 | 関連文献について議論 | 【第15回】 | まとめ(全体を通した議論) |
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