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授業の概要(ねらい) |
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人は集団を築き、他者と協力し合いながら生きている。協力行動、互恵行動、公正感などの人間の向社会性(pro-sociality: 他者を助ける心)についての研究は心理学に留まらず、経済学や進化生物学など多様な分野で扱われている学際的な研究テーマである。 心理学基礎文献研究Ⅱでは、向社会性に関するより専門的な文献の講読を通して、人間の向社会性に関する研究及びその背後にある進化や適応の観点についての理解を深める。
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2. |
授業の到達目標 |
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・向社会性に関する研究の背後にある理論や方法論の知識を他者に説明することができる。 ・レジュメの作成や発表など、文献の要点をまとめて他者に伝える方法を身につけることができる。 ・自分の関心にあう文献を探し、自発的に情報を調べることができる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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以下の点を基に評価する。 ・発表担当時の場合、テキストの内容をまとめたレジュメに誤りがないか、他の受講生にもわかるようにまとまっているか(70%) ・議論に参加しているか(30%)
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4. |
教科書・参考書 |
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テキスト: 心理学基礎文献研究Ⅰの第15回までには決定するが、以下の書籍及びそれに引用されている論文を扱うことを予定している(一部の章を取り上げる)。 授業で資料を配布する予定である。 サミュエル・ボウルズ、ハーバート・ギンタス(竹澤正哲、高橋伸幸、大槻久 訳)(2017)『協力する種:制度と心の共進化』 NTT出版 (原著:Bowles, S., & Gitis, H.(2011). A Cooperative Species: Human Reciprocity and Its Evolution. Princeton University Press.) 参考書: 小田亮(2011)『利他学(新潮選書)』 新潮社 山岸俊男・亀田達也 編(2014)『岩波講座 コミュニケーションの認知科学 社会のなかの共存』 岩波書店
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5. |
準備学修の内容 |
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発表担当者は特に担当の章をじっくり読み、他の受講生にも分かるように内容をまとめる。加えて、議論したいポイントを押さえておく。 発表担当者でなくても、授業で扱う章を事前に読んでおくこと。
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その他履修上の注意事項 |
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発表者は、担当章の内容をまとめたレジュメを用意してくる。レジュメは予め人数分を必ず用意しておくこと。 発表や議論の時間を計算に入れて、明瞭な内容を心がけること。 履修前にテキストの目次をよく見て、自分の興味対象に合うかを確かめておくこと。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | ガイダンス、テキストの紹介、発表担当者の割り振り(グループ分け) | 【第2回】 | 学生による発表(第1章:協力する種) | 【第3回】 | 学生による発表(第2章:人類における利他性の進化) | 【第4回】 | 学生による発表(第3章:社会的選好) | 【第5回】 | 学生による発表(第4章:人類の協力の社会生物学) | 【第6回】 | 学生による発表(第7章:制度と行動の共進化) | 【第7回】 | 学生による発表(第9章:強い互恵性の進化) | 【第8回】 | 学生による発表(第10章:社会化) | 【第9回】 | 学生による発表(第11章:結論:人類の協力とその進化) | 【第10回】 | ここまでのまとめ、関連文献についての選定 | 【第11回】 | 関連文献についての議論 | 【第12回】 | 関連文献についての議論 | 【第13回】 | 関連文献についての議論 | 【第14回】 | 関連文献についての議論 | 【第15回】 | まとめ:全体を通した議論 |
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