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授業の概要(ねらい) |
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ウィリアム・シェイクスピアの『オセロー』、『ハムレット』、『ロミオとジュリエット』の読解を通じて、16世紀イギリスの「物質文化」を学ぶ。『オセロー』では、デスデモーナがハンカチを落としたところから、激しい嫉妬の物語が始まる。汗を拭うハンカチは、水分が多いがゆえに性欲が激しいと言われていた女性の持ち物であるから、デスデモーナが落としたのがハンカチであったのは偶然ではない。『ハムレット』においてハムレットは、父の葬式からまだ日が浅いうちに母が結婚したことを、「葬式の冷たい肉パイを結婚式のテーブルに出した」と表現する。肉パイは保存食であったから、「残り物」ではない。ではどういう意味で言っているのか。『ロミオとジュリエット』では、舞踏会の後片づけをしている召使たちが、「マジパンを残しておいてくれ」と言う。マジパンのような甘い砂糖菓子は当時贅沢品であった。
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2. |
授業の到達目標 |
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1.英語の読解力を修得する。 2.英文学の基本知識を修得する。 3.英文学の中でもキャノンのひとつであるシェイクスピアについての基本的知識を修得する。 4.文学を批評的観点から読解する力を修得する。 5.物質文化の側面から文学を読解する力を修得する。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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積極的な授業参加20%、中間テスト20%、期末テスト30%、発表30%
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4. |
教科書・参考書 |
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参考書:『オセロー』(新潮文庫、ちくま文庫、白水Uブックス)、『新訳ロミオとジュリエット』(角川文庫)、『新訳ハムレット』(角川文庫)、河合祥一郎『シェイクスピアの正体』(新潮文庫)、河合祥一郎『あらすじで読むシェイクスピア全作品』(祥伝社新書)
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5. |
準備学修の内容 |
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授業で扱うシェイクスピアの作品を日本語訳で全部読んでおく。プリントで配布する英語の抜粋を読んでおく。
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その他履修上の注意事項 |
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前半は講義形式、後半はグループ発表。講義形式で授業を行う場合でも、学生からの発言を求めるので、積極的に参加することが重要である。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | 授業説明、ウィリアム・シェイクスピアについて | 【第2回】 | シェイクスピア『オセロー』-デスデモーナのハンカチと女性性(1) | 【第3回】 | シェイクスピア『オセロー』-デスデモーナのハンカチと女性性(2) | 【第4回】 | シェイクスピア『ハムレット』-葬式の肉パイ(1) | 【第5回】 | シェイクスピア『ハムレット』-葬式の肉パイ(2) | 【第6回】 | シェイクスピア『ロミオとジュリエット』-マジパンと贅沢(1) | 【第7回】 | シェイクスピア『ロミオとジュリエット』-マジパンと贅沢(2) | 【第8回】 | 中間テスト | 【第9回】 | まとめ、発表指導 | 【第10回】 | 学生発表ーシェイクスピア『オセロー』 | 【第11回】 | 学生発表ーシェイクスピア『ハムレット』 | 【第12回】 | 学生発表ーシェイクスピア『ロミオとジュリエット』 | 【第13回】 | 16世紀における「贅沢」 | 【第14回】 | 16世紀における女性と食べ物 | 【第15回】 | 復習 / 期末テスト |
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