Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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世界の言語と文化 I 塩谷 英一郎
必修  2単位
【外国語】 17-1-1410-0270-11

1. 授業の概要(ねらい)

 国際的なイベントが増え、世界各地から様々な人が日本に来る現代、また国際交流や国際協力がますます盛んになっていく今、多様な世界各地との相互理解がますます必要になってきています。
  ① 世界にはどのような言語・文化があるのか、無数にある多様な文化の中で限られた授業時間で扱える数には限りがあるが、世界各地の代表的なものを時間の許す限り概略を知り、世界の言語文化地理の基礎知識を持つ。
  ② さまざまな言語の感覚や表現を味わうとともに、普段は意識にのぼることの少ない諸言語の意味合いや(日本語・英語などへの)影響について基礎的なことを知る。
  ③ 諸文化の中の宗教や人間観・自然観、現代の動向などについて、ステレオタイプ化しないように注意しながら触れる。
  ④ 世界各地を英語で知ることの便利さと、現地語とのずれなどの問題点、地域によって英語がどれくらい教育されているか、等を考える。
 国際交流が欠かせない現在、多文化の理解と共存がますます必要となっています。ただし、文化は互いに影響を及ぼしあっており、絶えず変化・多様化しているということもあるので、文化や民族のステレオタイプ化は厳に慎む必要もあります。また、同じ人間の行動様式が、風土環境とともに違った表れ方をしているという考え方もできると思います。一方、言語には文化が反映されているとともに、言語が文化や思考法に一定の影響を与えているのも事実です。
 春期の授業では、最初の数回で、言語と文化の関係や、言語文化の世界地理の基礎知識を扱います。
 その後は、第二言語として使用する人まで含めれば世界の言語話者のかなりの割合を占めているヨーロッパ系の言語の語誌・歴史・文化的事項を、英語、ドイツ語、ロマンス諸語(フランス語、イタリア語、スペイン語など)、ロシア語などのヨーロッパ系言語や、英語の語源の20パーセント近くを占めるといわれているギリシャ語や、英語の語源の50パーセント以上を占めているといわれるラテン語などを中心に、可能な限り他の言語にも言及しながら見ていきます。また、なぜヨーロッパ系言語が世界に広まったか、世界史的な基礎知識も復習します。
 また、英語教員が担当するこちらの授業では、世界に関する情報を英語で読む訓練もします。

2.
授業の到達目標

 社会人として知っておくべき、また知っておくと役に立つ世界の言語文化地理の基礎知識を習得することを目標とします。
 世界地図・世界地理的基礎知識、世界各地ではどのような言語が通用しているか、それぞれの言語にはどのような文化的特徴があるか、文化をステレオタイプ化することなく理解するうえでどういったことを知っておくべきか、世界各地の alphabetの spellings(現地語名と英語名)、世界各地の文化や習慣、現代世界の成り立ち、各言語の特徴的なことば、等。

3.
成績評価の方法および基準

 総合的な理解度・習得度判断の期末テスト50%。
 ほぼ毎回の、課題提出50%。

4.
教科書・参考書

 指定教科書
 『Geography of the World』 DK Publishing
 参考書は随時紹介する。

5.
準備学修の内容

 スケジュールに沿って、予習・復習、課題の練習問題に、毎週、着実に取り組むこと。

6.
その他履修上の注意事項

 授業中、勝手な私語は厳禁。大学生として第一に守るべきルールです。
 講義を静聴できない人には向きません。
 適量の英語による世界紹介も含んでいますので、英語力と世界の文化や地理の知識を一石二鳥で向上させるよう努力してください。
 覚えることはたくさんありますが、特に重要なところを授業で強調していきますので、そのチェックが重要です。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 授業計画は暫定であり、進行状況などで多少の変動はあります。
 Introduction
【第2回】
 世界の言語と文化・概説1(世界の中の諸言語)
【第3回】
 世界の言語と文化・概説2(文化とは)
【第4回】
 世界の言語と文化・概説3(言語と文化の関係について)
【第5回】
 ユダヤ教・キリスト教・イスラム教
【第6回】
 欧米文化の源流1(ギリシア語など)
【第7回】
 欧米文化の源流2(ラテン語など)
【第8回】
 ラテン語系の諸言語の文化1(イタリア語など)
【第9回】
 ラテン語系の諸言語の文化2(フランス語など)
【第10回】
 ドイツ語圏とその近隣
【第11回】
 英語圏とその近隣
【第12回】
 北欧の言語と文化
【第13回】
 東欧(ロシア語とその親戚、など)
【第14回】
 その他のヨーロッパ諸語と文化
【第15回】
 前期のまとめ・後期への橋渡し