Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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西洋文明論 II 鳥居 千代香
選択  2単位
【外国語】 17-1-1410-0377-12

1. 授業の概要(ねらい)

 日本の近代の夜明けである1868年に始まった明治時代の政府は、1871年から1873年にかけて18ヶ月間、西欧(アメリカ・イギリス他)に岩倉使節団を派遣しました。政府の指導者の多くがこの一員として旅行に参加し、西洋の文明に触れ、帰ってから改革に生かしました。また1870年から1880年には、日本の近代化を支援するために政府は数千人の外国人教師と顧問を雇い入れています。
 「文明開化」のスローガンで一般市民の啓蒙運動も勧められました。日本は孤立した封建国家から脱出し、世界の列強に加わり、封建国家から近代的な工業国に生まれ変わったのです。昭和時代の1945年に日本は第2次世界大戦の敗北を認め戦争を終結し、アメリカとに日米同盟を結び、戦後はアメリカの影響を強く受けてきました。
 しかし、西洋の文明といっても広範囲です。西欧の社会・文化・歴史・政治・経済・宗教・ジェダーなどについてもう少し詳しく知ってほしいと思います。
 今日、人間中心主義の西欧的考え方を超え、人類が存続できる基盤となる自然中心主義の考え方の時代にきています。自然を支配するのではなく、自然と共生することで、人類は永く、繁栄を図れる、といわれています。人類が存続できる文明の基盤となる新しい考え方が、いまこそ求められています。日本や東洋文明・文化との比較や再評価も行います。今、日本でも多様な価値観が理解でき、多様な対応ができる人材が必要とされているのです。
 アニメやDVDなども使って理解を深めます。わかりやすい、楽しい授業にしたいです。
 最新の国際情勢も取り入れるので、就活・就職面接にも役立つでしょう。

2.
授業の到達目標

 「トンボ」のように「複眼」を持ち、一つの立場だけでなく、いろいろの立場から物事を見たり、考えたりできる人間になってほしいです。
 多元的な課題を対象としているので、みなさんが履修する多くの科目と関連しています。「わかりやすく、たのしい、新鮮で毎回新しい発見がある」と感じられるような授業をしたいと思います。
 西洋文化について理解し、東洋や日本文化との比較を通して、いろんな価値を比較取得していってほしいです。

3.
成績評価の方法および基準

 授業貢献度と平常点(50%)+期末レポート(50%)

4.
教科書・参考書

 テキストは買う必要がありません。授業ごとに毎回、教師が作成したレジュメ・プリントを配布します。
 参考文献:『ガンディーの言葉』マハートマ・ガンディー(鳥居千代香訳)岩波書店。
      『インド 姿を消す娘たちを探して』G.アラバムダン(鳥居千代香訳)つげ書房新社。
      『インドの社会と名誉殺人』C.S.ドグラ(鳥居千代香訳)つげ書房。

5.
準備学修の内容

 いつも西洋・東洋・日本の相互理解を意識し、テレビや新聞のニュース、国際情勢に関心を持とう。

6.
その他履修上の注意事項

 ・レジュメ・プリント配布が多くなる予定です。きちんと家に持って帰り、期末レポート作成のときまで保管しましょう。
 ・理解を深めるためにマンガ、アニメやDVDも使用する予定。
 ・こういう話しを聞きたいというテーマがあればリクエストをしてください。
 ・重大ニュースや、みなさんからリクエストがあったとき、また、最新の国際情勢も授業に取り入れるので、就活にも有益。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】
 4選着々のメルケル独首相 & ゲーテの言葉とゲゲゲ(水木しげる)のゲーテ
【第3回】
 バルセロナテロとスペイン & 欧州の主なテロと追いつめられる「イスラム国」
【第4回】
 イギリスの産業革命とヴィクトリア女王時代 大英帝国と植民地インド
 なぜヨーロッパは世界を植民地にできたのか  マハトマ・ガンディー「(英国よ)インドを立ち去れ」演説の背景 
【第5回】
 イギリスとアイルランド & ケルトと日本の心 & ハロウィーン
 アメリカのなかのアイルランド
【第6回】
 オリバー・クロムウェル & モード・ゴン(アイルランドのジャンヌ・ダルク)とイェーツ(ノーベル文学賞)やアイルランド作家
【第7回】
 ヨーロッパ・アメリカ・日本の資本主義とアメリカ資本主義批判の急先鋒キャサリン・オースティン・フィッツ
【第8回】
 英チャーチル & 独ヒトラーと日本 & カント
【第9回】
 クリスマス 起源と文化 『ミッキーのクリスマス・キャロル』
【第10回】
 サンタクロースとバレンダインデーの起源にこめられた意味  『聖おにいさん』のクリスマス
【第11回】
 トランプ米大統領とアメリカ & 国を動かした英米リーダーたち
【第12回】
 大統領でたどるアメリカの歴史とユーモア
【第13回】
 ダーウィン・リンカーン・キング牧師・マルコムX & アメリカの現状
【第14回】
 コルチャック先生と子供たち & アンネ・フランク
【第15回】
 ドイツやフランスの哲学者たち(プラトンなど)& ブルース・リー(香港)の哲学