Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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超域文学論 II 水越 あゆみ
選択  2単位
【外国語】 17-1-1410-0505-12

1. 授業の概要(ねらい)

 Disaster movies(ディザスター・ムービー、パニック映画)とは、「大規模な災害(火事、地震、事故、バイオハザード等)と戦うヒーローの物語」です。ハリウッドでは現在も、このジャンルに属する作品が量産されています。ではアメリカ合衆国において「パニック映画」というジャンルは一体いつ、どのように成立したのでしょうか。
 この講義では、有名な人食い鮫を描いた『ジョーズ』という映画を主な題材として取り上げ、1970年代以降に急増したdisaster movies の社会的背景、文化的意義を明らかにします。

2.
授業の到達目標

 ポップカルチャーの領域に属する作品を分析するための歴史的視座の獲得が、この講義の目標です。

3.
成績評価の方法および基準

 授業内テスト(30%)及び期末試験(70%)で総合的に評価します。

4.
教科書・参考書

 授業内にてプリント(英文)を配布します。
 参考書:Robert Jewett and John Shelton Lawrence『The American Monomyth』(NY: Anchor Press/
     Doubleday, 1977)

5.
準備学修の内容

 講義内容を十分に理解するために、授業後に必ず復習をしておくこと。

6.
その他履修上の注意事項

 英和辞書必携

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション
【第2回】
 1960年代のアメリカ合衆国:「楽園としてのアメリカ」のイメージの崩壊
【第3回】
 1970年代のアメリカ合衆国:パニック映画ジャンルの成立
【第4回】
 ヴェトナム戦争(1):『地獄の黙示録』
【第5回】
 ヴェトナム戦争(2):『プラトーン』
【第6回】
 "the American monomyth" とは何か
【第7回】
 『タワリング・インフェルノ』:罰せられる「悪」
【第8回】
 "the American monomyth" としての『ジョーズ』
【第9回】
 「悪」の表象:罰せられる「誘惑する女」
【第10回】
 "a monomythic hero" としてのブロディ
【第11回】
 "a monomythic hero" の特徴
【第12回】
 "monomythic heroes":ブロディとスパイダーマン
【第13回】
 バビロニア創生神話の再神話化としての『ジョーズ』
【第14回】
 原作小説から映画への変容
【第15回】
 まとめとテスト