Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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中国文化論 I 劔重 依子
選択  2単位
【外国語】 17-1-1410-0666-13

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業は、中国の文化形成の源泉を理解することからスタートします。大まかに中国の伝統文化の形成過程を学ぶことにより、現代中国の文化の形成根拠を深く理解していくことを狙います。中国の文化形成の源泉や特徴を学び、その形成過程の歴史を踏まえながら、中国文化が現代中国の社会や人々の行動に深く影響を与えていることを検証していきます。そして、中国文化の歴史的変遷過程の分析を通して、中国の伝統文化と現代文化の衝突と融合への理解も深めていきます。広く中国文化の様々な潮流に触れながら、私たちが日常的に感じている「現代中国文化」の有様をリアルに理解することを中心に授業を行います。

2.
授業の到達目標

 長い歴史と多民族で構成されている中国文化の歴史的な形成背景を理解することにより、地域や民族、宗教などを背景とした異文化間における相互理解をより深めていくための見識を獲得することを目的とします。そして、中国という国と現代中国人について立体的に理解することにより、自分自身の意見を発表できるようになることを目指します。
 中国文化を学ぶことは中国人を理解することにつながります。日本の文化との差異性や類似点を比較理解することは大切なことです。中国と隣接する私たちは、中国をより深く理解し、中国人をもっと知ることが必要だと考えます。この授業では、中国人の価値観や行動原則に様々な形で影響を与えている“中国文化”を私たちが学習し理解することで、あらゆる面でより質の高い交流が行える基礎を築くことを目的としています。

3.
成績評価の方法および基準

 中間試験40%+期末試験40%+不定期に実施するレスポンスペーパーの総合評価となります

4.
教科書・参考書

 毎回授業要点をまとめたプリントを配布します。また、パワーポイントで用意する教材やビデオ教材を合わせて授業を行います。
 参考資料や関連文献はその都度紹介します。

5.
準備学修の内容

 各回の授業の一、二週間前位に事前準備学修や復習内容について指示します。指示をした事前準備学修の内容を前提として講義を行います。講義で説明した内容について、参考文献等により各自で理解を深めておくようにして下さい。

6.
その他履修上の注意事項

 各自関心を持った事項については、図書館の活用等を通じて自主的に学習することを期待します。
 授業中に重要と思われるところはノートを取るようにして下さい。中間テストと期末テストはプリントの内容だけではなく、授業中の説明やパワーポイントで説明した内容及びビデオ内容も含まれるので、合わせてしっかり受講して下さい。
 ※講義中の私語は厳禁です。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス 授業全体の流れの説明。
【第2回】
 文化について(文化の概念、文化交差の時代、中国における文化等)
【第3回】
 漢字文化について(文字の誕生と漢字、漢字の形成過程、漢字文化と日本等)
【第4回】
 儒学と儒教文化について(儒学の発祥と歴史、儒教思想の概要、儒教を継承した著名人、日本への伝来等)
【第5回】
 『論語』から分析する中国の精神文化(映画『孔子の教え』鑑賞を中心に)
【第6回】
 『論語』と孔子(儒学のまとめ、論語の思想、論語と日本の教養文化等)
【第7回】
 中国の世界文化遺産〈前編〉(故宮/紫禁城、天壇、頣和園、万里の長城等)
【第8回】
 中国の世界文化遺産〈後編〉(兵馬俑、莫高窟、平遥古城、大足石窟等)
【第9回】
 まとめと中間試験
【第10回】
 姓氏文化と血縁関係(中国の姓氏の起源、その特徴と由来、名前の付け方や姓名の呼び方に表れる文化背景等)
【第11回】
 中国の芸術文化〈前編〉(中国の芸術文化の特徴、書・絵画・彫像・陶磁器・刺繍等)
【第12回】
 中国の芸術文化〈後編〉(伝統音楽の歴史と民族楽器、昆劇と京劇等)
【第13回】
 中国文化としての武術(武術の起源、中国武術の流派、少林拳、太極拳等)
【第14回】
 中国の茶文化(茶の発祥と発展史、中国茶の海外伝播、日本への伝来、中国茶の種類、茶器、中国茶の作法等)
【第15回】
 まとめと試験