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授業の概要(ねらい) |
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スペインはベラスケス、ゴヤ、ミロ、ダリ、ピカソ、ガウディなど世界的に有名な画家や建築家を輩出し、エル・グレコやルーベンスなど多くの外国人画家も活躍した国です。また2016年時点で世界遺産の登録件数が世界第3位の45件(文化遺産40件 自然遺産3件 複合遺産2件)を誇る国でもあります。 I の前半はその数多い歴史遺産、建築、工芸、写本などを通じて、ローマ、西ゴート、イスラームの文化がスペイン美術にどのような影響を与えたかを取り上げます。後半はエル・グレコからリベーラ、ムリーリョまでの絵画作品が中心となりますが、その際に対抗宗教改革や他のヨーロッパ諸国との関係なども解説し、歴史的・社会的背景からスペイン美術を考えます。授業ではスライドの他にテレビの美術番組やビデオなどを使用し、スペイン各地の美術館や地方色豊かな祭りや宗教行事なども紹介します。
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授業の到達目標 |
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美術を切り口に、スペインの地理、歴史、宗教、政治経済、習慣などにも興味を広げていくこと重視します。また代表的な作品や歴史遺産などについて、それらの特徴やどのような時代背景の中で生み出されたのかを自分なりに考え、表現できるようになることを目指します。
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成績評価の方法および基準 |
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40% 期末試験(記述式) 30% 授業中の課題(作品分析などを複数回行います) 30% 平常点(授業ごとにコメント・質問などを記入します) 授業ではスペイン文化論に関係する行事、展覧会、テレビ番組などを紹介し、それに行ったり視聴してコメントを書いた場合には評価の対象としています。またスケッチをしたり自主的に作品分析を行ってそれを提示した場合にも加点をしていますので、積極的に参加して下さい。
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4. |
教科書・参考書 |
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プリントとURLを含む参考文献表を配布し、学習のための必読文献や推薦図書などを詳しく紹介します。中心となる図書はMELICの2F「指定図書コーナー」にすでに揃えてありますので、予習・復習に活用してください。春期の授業では特に『スペイン・ロマネスクへの旅』『もっと知りたいエル・グレコ』を使いますので、必ず目を通しておいてください。
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5. |
準備学修の内容 |
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授業ではカラー画像を配布しないので、MELICをはじめとする図書館や美術館、TV、ネットなどを積極的に利用して画像を確認しながらしっかりと復習し、自分なりの「スペイン文化ノート」を作って下さい。「作品を手で見る」ために簡単なスケッチをとり、そこに気づいた点を書き込むことも作品の理解に役立ちます。
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その他履修上の注意事項 |
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I では歴史の説明が多くなりますので、自分が使いやすい年表を持参するとよいでしょう。 なお授業中は携帯電話、スマホ、タブレットPC、ゲーム機器などの使用は禁止しています。特に画像や映像資料を無許可で撮影した場合には、受講をお断りする場合があります。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | ガイダンス、スペインの特徴ある美術館の紹介 | 【第2回】 | 古代イベリア半島の美術 ~ アルタミラの洞窟壁画からエルチェ夫人像まで | 【第3回】 | ローマの遺産と西ゴート美術 ~ イベリア半島に残るローマの公共施設と西ゴートの工芸品 | 【第4回】 | スペインのイスラーム文化 I ~ アル・アンダルスとメスキータ | 【第5回】 | スペインのイスラーム文化 II ~ レコンキスタとアルハンブラ宮殿 | 【第6回】 | 中世ロマネスク美術 ~ モサラベ様式とムデハル様式 | 【第7回】 | 対抗宗教改革と美術 | 【第8回】 | エル・グレコ I ~ トレドに現れたギリシア人画家 | 【第9回】 | エル・グレコ II ~ ≪オルガス伯爵の埋葬≫と円熟期の作品 | 【第10回】 | イベリア半島のバロック彫刻 ~ 彩色木彫について | 【第11回】 | バレンシア派 ~ リバルタとリベーラ | 【第12回】 | セビーリャ派 I ~ スルバラン | 【第13回】 | セビーリャ派 II ~ ムリーリョ | 【第14回】 | 総まとめ | 【第15回】 | 期末試験 |
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