Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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スペイン文化論 II 大國 雅子
選択  2単位
【外国語】 17-1-1410-3766-02

1. 授業の概要(ねらい)

 秋期は17世紀から始まり、ベラスケス、ゴヤ、ソローリャ、ガウディ、ピカソ、ダリといった巨匠の作品を中心に取り上げ、スペイン美術と欧米諸国の美術との関係にも注目していきます。前半は世界三大名画のひとつ、≪ラス・メニーナス(女官たち)≫を描いたベラスケスと≪裸のマハ≫≪着衣のマハ≫で知られるゴヤというふたりの宮廷画家に焦点を当て、後半はドメネクや≪サグラダ・ファミリア≫で有名なガウディの建築などを取り上げます。授業ではスライドの他にテレビの美術番組やビデオなどを使用し、スペイン各地の美術館や地方色豊かな祭りや宗教行事なども紹介します。
 近現代の多くの芸術家は過去の作品や歴史遺産から強い影響を受けていることから、春期に取り上げた過去の作品との比較も行いながら学習を進めます。従って本授業は原則として、スペイン文化論 I を履修した学生を対象としていますが、秋期からの受講も可能です。

2.
授業の到達目標

 美術を切り口に、スペインの地理、歴史、宗教、政治経済、習慣などにも興味を広げていくこと重視します。また代表的な作品や歴史遺産などについて、それらの特徴やどのような時代背景の中で生み出されたのかを自分なりに考え、表現できるようになることを目指します。

3.
成績評価の方法および基準

 40% 期末試験(記述式)      
 30% 授業中の課題(作品分析などを複数回行います)
 30% 平常点(授業ごとにコメント・質問などを記入します)
 授業ではスペイン文化論に関係する行事、展覧会、テレビ番組などを紹介し、それに行ったり視聴してコメントを書いた場合には評価の対象としています。またスケッチをしたり自主的に作品分析を行ってそれを提示した場合にも加点をしていますので、積極的に参加して下さい。

4.
教科書・参考書

 プリントとURLを含む参考文献表を配布し、学習のための必読文献や推薦図書などを詳しく紹介します。特に中心となる図書はMELICの2F「指定図書コーナー」にすでに揃えてありますので、予習・復習に活用してください。『ディエゴ・ベラスケス』『もっと知りたいゴヤ』『もっと知りたいピカソ』『もっと知りたいサルバドール・ダリ』『もっと知りたいガウディ』は必ず目を通しておいてください。

5.
準備学修の内容

 授業ではカラー画像を配布しないので、MELICをはじめとする図書館や美術館、TV、ネットなどを積極的に利用して画像を確認しながらしっかりと復習し、自分なりの「スペイン文化ノート」を作って下さい。「作品を手で見る」ために簡単なスケッチをとり、そこに気づいた点を書き込むことも作品の理解に役立ちます。

6.
その他履修上の注意事項

 春期に取り上げた内容を参照しながら学習を進めることがありますので、配布したプリントやノート、自分が使いやすい年表などは引き続き持参して下さい。
 なお授業中は携帯電話、スマホ、タブレットPC、ゲーム機器などの使用は禁止しています。特に画像や映像資料を無許可で撮影した場合には、受講をお断りする場合があります。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス、マドリード派と宮廷美術
【第2回】
 ベラスケス I ~ 宮廷画家の仕事
【第3回】
 ベラスケス II ~ ≪女官たち≫とベラスケスから影響を受けた画家たち
【第4回】
 ベラスケス III ~ ≪織り女たち≫を中心に
【第5回】
 ゴヤ I ~ カルトンから版画作品まで
【第6回】
 ゴヤ II ~ ≪カルロス4世の家族≫≪マハ≫などの代表作
【第7回】
 ゴヤ III ~ ≪黒い絵≫シリーズとゴヤから影響を受けた画家たち
【第8回】
 ソローリャ ~ 日本でまだ知られていない巨匠、陽光と風と海を描いて
【第9回】
 ドメネクとモデルニスモ建築 ~ ≪カタルーニャ音楽堂≫をはじめとする公共建築
【第10回】
 ガウディ I ~ ≪グエル邸≫≪グエル公園≫≪コロニア・グエル地下聖堂≫などの作品群を巡る
【第11回】
 ガウディ II ~ ≪サグラダ・ファミリア≫を中心に
【第12回】
 ピカソ ~ 作風の多様性と代表作品
【第13回】
 ダリ ~ ダリ劇場美術館を中心に
【第14回】
 ミロの紹介と総まとめ
【第15回】
 期末試験