Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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英語表現法(翻訳論) II 千森 幹子
選択必修  2単位
【外国語】 17-1-1410-3872-10

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業は、児童文学作品に焦点を当てて、特に、日本語から英語への翻訳について考えていく授業です。具体的には、英語のナンセンスによって成り立つ『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』の大正から現代までの邦訳を例にあげて、翻訳の工夫がどのように発展してきたか、絵本などの抄訳ではどのようにことなるのかを、考えていきます。
 先ず、日本語と英語の言語的文化的な違いを学び、時代思想や文化状況・読者の年齢によって、どのように翻訳が変化するのか、子どもの作品を翻訳する場合の留意点に注目しながら、考えていきたいと思います。
 なお、このクラスでは、翻訳実習は行いませんので、注意してください。

2.
授業の到達目標

 日本語と英語の言語的な相違を考える
 子ども読者の目線に立った翻訳を考える
 時代と文化による翻訳の変遷を考える
 ノンセンス翻訳の難しさを考える

3.
成績評価の方法および基準

 平常点50パーセントと、テスト50パーセントを総合的に評価する。

4.
教科書・参考書

 参考文献
  千森幹子 編集・解説『不思議の国のアリス~明治・大正・昭和初期邦訳本復刻集成』エディション・シナプス
  千森幹子『表象のアリス テキストと図像に見る日本とイギリス』法政大学出版局
  その他、随時、紹介する

5.
準備学修の内容

 英文でAlice’s Adventures in Wonderland を読んでおいてください。

6.
その他履修上の注意事項

 授業の詳細は最初の授業で説明しますので、必ず出席してください。
 取り扱う翻訳の一部と元の原文を比較検討し、翻訳の工夫や面白さ難しさを味わってください。
 毎回、授業の最後にレスポンス・シートを書いてもらい、次回、質問や疑問に答えます。
 静粛に授業にのぞめる学生の受講を希望します。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 〈授業計画は変更する場合があります〉
 ガイダンス
【第2回】
 日本語と英語の相違
【第3回】
 大正時代の時代社会背景
【第4回】
 大正絵雑誌『日本幼年』における『不思議の国のアリス』翻訳①
【第5回】
 大正絵雑誌『日本幼年』における『不思議の国のアリス』翻訳②
【第6回】
 大正児童雑誌『金の船』における『鏡の国のアリス』翻訳
【第7回】
 大正児童雑誌『金の船』における『鏡の国のアリス』翻訳
【第8回】
 大正児童雑誌『赤い鳥』における『アリス』翻訳①
【第9回】
 大正児童雑誌『赤い鳥』における『アリス』翻訳①
【第10回】
 大正期の『アリス』翻訳-芥川龍之介・菊池寛『アリス物語』
【第11回】
 大正期の『アリス』翻訳-芥川龍之介・菊池寛『アリス物語』
【第12回】
 大正期の『アリス』翻訳-楠山正雄『不思議の国』
【第13回】
 大正期の『アリス』翻訳-楠山正雄『不思議の国』
【第14回】
 戦前の『アリス』翻訳のまとめと課題
【第15回】
 まとめとテスト