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授業の概要(ねらい) |
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歴史をすでに誰かによって与えられた過去の事実と誤解している人が多いが、歴史は時代・地域によって異なるものであり、そこに住む人々が作り出したものでもある。この講義ではヨーロッパにおける歴史の見方、つまり歴史観と歴史の書かれ方、つまり歴史叙述について古代から近世までを概観し、あわせて時代背景を説明する。従って、個々の事件などの原因やその影響などは原則として扱わない。また、ヨーロッパの人々にとっては常識であっても、多くの日本人になじみの薄いこと、例えばキリスト教やヨーロッパにおける氏名に関することなどのヨーロッパを理解するうえで欠かせない常識・背景についても解説する。
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2. |
授業の到達目標 |
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①ヨーロッパについて基本的知識を獲得し、それらを説明できる。 ②世の中の動きを歴史的に考えるための視点を獲得する。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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小リポート・小テスト40%、期末テスト60% ※期末テスト日は履修者数によっては定期試験日となる。
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4. |
教科書・参考書 |
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テキストは使用しない。 参考文献は適宜紹介するが、全体的には下記の文献が基本文献である。 望田幸男他『新しい史学概論』〔新版〕(昭和堂、2002年)
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5. |
準備学修の内容 |
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概説書、DVDなど理解を深めることができる教材を紹介するので、事前に読んだり見たりするとよい。また、現在日本や世界で起きていることに関心を持つこと。最低限一日1回はニュースをチェックして動向なりを押さえておくこと。この授業とは直接関係ないかもしれないが、色々な意味で過去と現在はつながっているので、意外な接点に驚くこともあるだろう。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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高等学校で必修となっている世界史の理解程度は問わないが、その確認のようなことは講義する。ただし、教科書の記述とは異なることも多いので、もし高等学校で使用した教科書を持っているなら講義後に再読してもらいたい。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 授業の目的と進め方、自分史 | 【第2回】 | 序論:自分史からみる君たちの歴史観&ヨーロッパとは何か | 【第3回】 | 古代の歴史観・歴史叙述①:古代ギリシア①(「歴史学」の誕生) | 【第4回】 | 古代の歴史観・歴史叙述②:古代ギリシア②(「歴史学」の誕生)、古代ローマ① | 【第5回】 | 古代の歴史観・歴史叙述③:古代ローマ② | 【第6回】 | キリスト教の基本知識:ユダヤ教史とキリスト教史、キリスト教の教義・宗派・行事など | 【第7回】 | ヨーロッパにおける人名の由来、小テスト他① | 【第8回】 | 中世の歴史観・歴史叙述①:キリスト教的救済史観の成立 | 【第9回】 | 中世の歴史観・歴史叙述②:キリスト教的救済史観の展開 | 【第10回】 | 中世の歴史観・歴史叙述③:キリスト教的救済史観と世俗社会、小括① | 【第11回】 | 近世の歴史観・歴史叙述①:宗教改革と対抗宗教改革 | 【第12回】 | 近世の歴史観・歴史叙述②:ルネサンスと科学革命 | 【第13回】 | 近世の歴史観・歴史叙述③:啓蒙主義と進歩史観 | 【第14回】 | 小括②と補論:アジア前近代における歴史観と歴史叙述(中国を中心に) | 【第15回】 | まとめ他 ◎以上は予定であり、指定学科によっては一部変更となる。 |
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