Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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外国史 II 工藤 則光
【Ⅲ】  2単位
【Ⅲ 歴史と文化を学ぶ】 17-1-1501-1570-04

1. 授業の概要(ねらい)

 外国史Iに引き続いて、近代ヨーロッパから始めて近年までの歴史観および歴史叙述を概観し、あわせて時代背景を説明する。現在において、これまで「主流」としてきた歴史観・歴史叙述を求めることは非常に困難な作業ではあるが、できるだけ分かりやすく説明するように努める。また、最後に日本との比較も行う。

2.
授業の到達目標

 ①ヨーロッパについて基本的知識を獲得すること。
 ②世の中の動きを歴史的に考えるための視点を身につけること。

3.
成績評価の方法および基準

 小リポート・小テスト40%、期末テスト60%
 ※期末テストは履修者数によっては定期試験日に行うことがある。

4.
教科書・参考書

 テキストは使用しない。
 参考文献は適宜紹介するが、全体的には下記の文献が基本文献である。
 望田幸男他『新しい史学概論』〔新版〕(昭和堂、2002年)
 また、フランスに関して、次の著作も参考になる。
 渡辺和行『近代フランスの歴史学と歴史家-クリオとナショナリズム』(ミネルヴァ書房、2009)

5.
準備学修の内容

 概説書、DVDなど理解を深めることができる教材を紹介するので、事前に読んだり見たりするとよい。

6.
その他履修上の注意事項

 高校世界史の理解程度は問わない。外国史Iの継続講義であるので、外国史Iを履修したことを前提に講義するが、外国史I未履修でも受講できる。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 授業の目的と進め方、外国史Iの内容:歴史観・歴史叙述概観
【第2回】
 近代の歴史観・歴史叙述①:ロマン主義、ランケ史学(歴史学の誕生=実証主義史学の成立)
【第3回】
 近代の歴史観・歴史叙述①:ランケ史学の展開と広まり
【第4回】
 近現代の歴史観・歴史叙述①:政治史学と歴史学派
【第5回】
 近現代の歴史観・歴史叙述②:ヴェーバーの業績、小テスト他①
【第6回】
 近現代の歴史観・歴史叙述③:マルクス主義と歴史学
【第7回】
 小括①:「歴史学」の流れ
【第8回】
 現代の歴史観・歴史叙述①:フランス社会史①(アナール派)
【第9回】
 現代に影響与えた思想背景:ジェンダーとセクシュアリティ、フコー等
【第10回】
 現代の歴史観・歴史叙述②:フランス社会史②(アナール派)、近代化論と数量経済史
【第11回】
 現代の歴史観・歴史叙述③:ドイツとイギリスの社会史、小テスト他②
【第12回】
 現代の歴史観・歴史叙述④:ポストモダンの歴史学への影響:言説分析と言語論的転回、小テスト他
【第13回】
 現代歴史学:グローバルヒストリー他
【第14回】
 小括②と補論:日本における歴史学:実証主義、皇国史観、マルクス主義史学、戦後歴史学等
【第15回】
 まとめ