Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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思潮文化論 II 渡辺 和典
【Ⅱ】  2単位
【Ⅱ 人の心と思想を学ぶ】 17-1-1501-2729-02

1. 授業の概要(ねらい)

 【芸術の哲学】
 人類の文化を特徴づける活動として芸術活動をあげることができる。時代や地域によってさまざまな形態の芸術が生まれてきた。それと同時に、芸術という営為そのものに対する哲学的な問い、例えば、「芸術とはそもそもなんであるのか」、芸術作品に表現される「美(美しさ)」とはなんであるのか、こうした問いが提出され、考察されてきた。このような芸術に関する問いを、哲学的な観点から検討するのが、本講義の趣旨である。そのさい、とりわけヨーロッパの芸術作品を、映像資料をも参照しながら、美とはなにか、崇高とはなにか、さらには芸術と技術の関係、複製芸術の可能性などの問題を、さまざまな哲学者の思索を紹介しながら考えてみたい。

2.
授業の到達目標

 ・芸術をめぐる様々な問題を、その哲学的、歴史的な文脈を顧慮しつつ、説明することができる。
 ・哲学的な考えや背景を学ぶことによって、芸術作品を新たな視角から鑑賞し、解釈することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 平常点(30%)講義へとの積極的参加と、リアクションペーパーへの回答。
 試験(70%) 試験欠席者は、0点の評価となるので注意すること。

4.
教科書・参考書

 適宜、授業中に指示する。

5.
準備学修の内容

 ・講義内で指示した参考書に関しては可能な限り読んでおくこと。
 ・講義への出席前に、前回の内容を復習しておくこと。

6.
その他履修上の注意事項

 ・欠席や遅刻は止むを得ない場合は例外として、必ず定時に着席していること。
 ・必ず学生書を所持するようにすること。
 ・受講希望者は必ず1回目の授業に出席すること。
 ・授業計画はあくまでも計画であるため、適宜変更する可能性がある。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション
【第2回】
 プラトンの芸術論(イデア論と美)
【第3回】
 プラトンの芸術論(芸術と教育)
【第4回】
 プロティノスの芸術論
【第5回】
 トマス・アクィナスの創造論と想像力の問題
【第6回】
 カント美学の問題(美と崇高)
【第7回】
 ハイデッガーの芸術論(『芸術作品の根源』読解)
【第8回】
 ハイデッガーの芸術論と技術論(芸術と技術の関係性と、その現代における現れ)
【第9回】
 ロラン・バルトの写真論
【第10回】
 ベンヤミンの複製芸術論
【第11回】
 ベンヤミンのクレー論(芸術と歴史哲学)
【第12回】
 バタイユの芸術論(芸術の誕生と起源の問題)
【第13回】
 芸術作品における半人半獣のモチーフを考える
【第14回】
 芸術と価値の問題
【第15回】
 総括