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授業の概要(ねらい) |
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公衆環境衛生学Ⅰでは、重なりあう部分が多い公衆衛生と環境衛生を合わせて対象とする。公衆衛生学は、ヒトの健康に影響を及ぼす様々な要因を明らかにして健康障害の発生予防と健康の保持・増進を目的とする社会医学の一分野である。学校・職域・地域・国家など様々なレベルの集団を対象に、その集団に所属するものの健康状態が、生物学的・化学的・物理的な環境、社会的・経済的状況、及び集団の構成員の素因や行動とどのように関連するかを解析し、効果的な衛生対策や医療・福祉制度を整えるための知見を追求する実践的な学問である。環境衛生学は、一般環境に存在する生物学的・化学的・物理的な因子がヒトの健康に及ぼす影響に焦点をあてたものである。教科書に準拠して重要事項を概説する。公衆環境衛生学Ⅰでは公衆衛生学全般を扱う(関連科目である公衆環境衛生学Ⅱでは環境衛生を中心に疫学の考え方や化学物質の健康影響を中心に扱う)。どのような制度・状況下で国民が医療や福祉などのサービスを受けているのかを理解し、さらにどうあるべきか自分なりの見解を持つことが重要である。公衆環境衛生分野で日本が直面する問題について議論ができれば単なる知識習得よりも重要と考えており、授業中の質問や意見表明を歓迎する。
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授業の到達目標 |
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・公衆環境衛生の各分野の基礎的知識を習得し、重要な基本用語の意味を説明できる。 ・医療・保健衛生・社会福祉・社会保障等の諸制度・仕組みを理解し、概要を説明できる。 ・公衆環境衛生関連分野では今何が問題かを知るとともに、必要な対策は何かを自ら考え表明できる。
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成績評価の方法および基準 |
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評価は期末試験で行なう。基本的事項についての知識と理解を問う予定であるが、受講者が少人数の場合は授業を通じて考えたことを論述してもらうことに重点をおいた試験とする。不適切な授業態度(私語など他の学生の学習の妨げとなるような問題行動)があった場合は、随時確認・記録をして評価時に相応の減点をする。
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教科書・参考書 |
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教科書:『学生のための現代公衆衛生学』 野中浩一編 南山堂 2016(改訂7版)
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準備学修の内容 |
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大学のウェッブファイルサーバーで配付する授業資料をダウンロードして予習・復習すること。授業では教科書の中から要点を選んで解説するので関連する章を丁寧に読んでおくこと。公衆環境衛生分野で日本が直面する課題について考え、自分の意見を言えるようにしておくことが望ましい。
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その他履修上の注意事項 |
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自分や家族の健康問題と人々が健康に暮らせる社会の仕組みのあり方について常に関心を持つよう努めること。授業中の質問や意見表明があれば歓迎する。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 公衆環境衛生学とはどのような分野かについて学ぶ。 | 【第2回】 | 人口の動向について学ぶ。日本の少子高齢化対策について考える。 | 【第3回】 | 妊娠・出産と胎児の保健について学ぶ。 | 【第4回】 | 新生児・乳幼児期の保健について学ぶ。 | 【第5回】 | 学校保健について学ぶ。 | 【第6回】 | 青少年の保健について学ぶ。 | 【第7回】 | 成人期の保健について学ぶ。 | 【第8回】 | 老年期の保健と介護について学ぶ。 | 【第9回】 | 心の健康と精神障害について学ぶ。 | 【第10回】 | 公害と環境保健について学ぶ。 | 【第11回】 | 感染症の防御について学ぶ。 | 【第12回】 | 食中毒を中心に食物と健康について学ぶ。 | 【第13回】 | 職業生活と健康について学ぶ。過労死しない働き方について考える。 | 【第14回】 | 保健・医療・福祉・社会保障について学ぶ。 | 【第15回】 | 復習とまとめ。 |
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