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授業の概要(ねらい) |
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産業労働心理学という用語はあまり一般的なものではない。ここでは産業・組織心理学を中心に、職場における不安全行動やメンタルヘルスなど労働に関わる心理学的テーマを加えたものとして用いている。産業組織心理学は、労働者をいかに効率的に働かせるかといった経営管理的視点での作業研究からスタートし、職業適正・キャリアカウンセリング、人間工学などを含めて発展してきたが、労働者の立場にたって、安全に健康に人間らしく働く人生を送るためにはどうすれば良いかを考える上でも、産業組織心理学の研究成果を理解することは重要である。本講義では産業組織心理学の基本事項をテキストに準拠して解説する。衛生管理者免許取得に必要な授業であることから、職場における事故防止・不安全行動やメンタルヘルス・ストレスチェックなど労働安全衛生上で重要なトピックスも取り上げる。 注)この科目は、労働安全衛生法で定められている国の資格「第一種衛生管理者」免許の取得に必要な科目の一つである。常時50人以上を雇用する事業場では、免許を受けている等、資格を有するもの(常勤者)から「衛生管理者」を選任し、職員の衛生管理に関わる業務を担当させる必要がある。健康スポーツコースでは要件となる9科目(生理学Ⅰ、生理学Ⅱ、救急処置法、衛生学・公衆衛生学、精神医学、産業労働心理学、環境衛生工学、労働関係法令Ⅰ、労働関係法令Ⅱ)を履修すると、試験免除で免許取得が可能。学生便覧参照。
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授業の到達目標 |
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・産業労働心理学ではどのような研究が行なわれてきたのか理解する。 ・各トピックに関する研究の概要や基本用語の意味を他者に説明できる。 ・労働者の健康確保のための制度・仕組みについて他者に説明できる。
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成績評価の方法および基準 |
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評価は期末試験で行なう(100%)。授業で紹介した理論がとのようなものか研究者がとのように考えたのかといったことに加えて、労働者の健康確保のための制度・仕組みについての知識と理解を問う。不適切な授業態度(私語など他の学生の学習の妨げとなるような問題行動)があった場合は、確認・記録して評価時に10点の減点とする。
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教科書・参考書 |
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教科書:『産業・組織心理学』 山口裕幸他 有斐閣アルマ 2006
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準備学修の内容 |
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大学のウェッブファイルサーバーで配付する授業資料をダウンロードして予習・復習すること。各回の授業に対応する教科書の章を事前に丁寧に読んでおくこと。これらの準備・学習には毎回90分程度の時間が必要と考える。試験前には教科書の中から授業でとりあげた部分を通読して復習すること。
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その他履修上の注意事項 |
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将来の職業選択を視野にいれて関心を持つよう努めること。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 産業労働心理学とはどのような学問か学ぶ。 | 【第2回】 | パーソナリティの測定評価方法について学ぶ。 | 【第3回】 | 動機づけ(ワーク・モチベーション)について学ぶ。 | 【第4回】 | 組織内コミュニケーションについて学ぶ。 | 【第5回】 | 作業の効率と安全について学ぶ。 | 【第6回】 | 職場の安全管理・リスクアセスメントについて学ぶ。 | 【第7回】 | ストレスの基礎について学ぶ。 | 【第8回】 | 事業場におけるストレスチェック制度について学ぶ。 | 【第9回】 | キャリア形成について学ぶ。 | 【第10回】 | リーダーシップについて学ぶ。 | 【第11回】 | 人事評価について学ぶ。 | 【第12回】 | 行動経済学の基礎について学ぶ。 | 【第13回】 | 消費者行動について学ぶ。 | 【第14回】 | 労働者の健康確保のための制度の基本について学ぶ。 | 【第15回】 | 復習とまとめ。 |
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