Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
ピア・エデュケーション I 井上 史子
【Ⅰ】  2単位
【Ⅰ 大学での学び方】 17-1-3082-3064-01

1. 授業の概要(ねらい)

 人の学び方には、それぞれに方法があります。知識を得たり、何かの技術を身につけたりするには、コツコツと一人で努力を重ねるという方法もよいでしょう。しかし、より多くの知識を得たり、今までとは違ったものの見方や考え方を知ったり、他の人とよりよい人間関係を築く力を得るには、個人での学習では限界があります。そのためには、多くの人と積極的に関わり合いながら、自ら向上しようとする意欲と、基礎的なコミュニケーション力を身につけることが鍵となります。
 この授業は、大学での学びの基本となる知識や、他の学生や教員、職員の方々とよりよい関係を築いていくための「人間関係力」(ラーニング・コミュニティへ参加する力)の基礎を身につけることを目標としています。したがって、授業では、大学教育の現状、帝京大学の歴史や理念・目的、学生相互の学び合いの仕組み(これを「ピア・エデュケーション」と言います。)、国内外におけるピア・エデュケーションの歴史や制度に関する基本的知識、一般的な青年期の発達理論、ファシリテーションなどの教育技術について、学生同士でのディスカッション、課題研究発表などにより学んでいきます。なお「大学概論Ⅰ」を並行して受講することでより授業内容の理解が進みます。
 受講学生は、1、2年生が対象(最大50名を限度)で、第1回目の授業に最後まで参加していることが受講の必須条件です。受講者数が超過した場合は、課題レポートなどにより受講者を決定します。

2.
授業の到達目標

 (知識・理解)
  1.学生は、帝京大学の歴史や理念・目的、教育の特色を説明することができます。
  2.学生は、ピア・エデュケーションの考え方や目的、国内外における状況について説明することができます。
  3.学生は、前後期青年期の特徴や最近の生徒・学生の思考・行動様式について説明することができます。
  4.学生は、大学での学び方について、簡潔に説明することができます。(関心・意欲・態度)
  5.学生は、ピア・エデュケーションに関心を持ち、自ら学ぼうとします。(技能・表現)
  6.学生は、他者と適切なコミュニケーションをとることができます。

3.
成績評価の方法および基準

 ①学修ポートフォリオ(必須)  40%
 ②小テスト      30%
 ③準備学習課題    30%

4.
教科書・参考書

 佐藤望他、『アカデミック・スキルズ~大学生のための知的技法入門(第2版)』、慶應義塾大学出版会、2012 (¥1,000予定)

5.
準備学修の内容

 各回で授業内容を深めるための準備学習課題(課題レポートの作成)を課します。課題は都度、授業内で指示をします。

6.
その他履修上の注意事項

 ①授業では、皆さんの積極的な参加(発表や質問、自主学習など)を期待しますので、それを行うだけの意欲と積極性を持って履修登録をしてください。
 ②個人発表やグループディスカッションなどでパソコンを使用する場合があります。機器の準備および学内外でインターネットが使用できる環境は各自で確保して下さい。
 ③高等教育開発センターで活動するSCOT(Students Consulting on Teaching)になることを希望する学生の受講を奨励します。
  SCOT(スコット)とは、「高等教育開発センターに所属する、学生の視点から授業改善を行う訓練された学生」のことです。
 ④遅刻はやめてください。授業途中からの参加は他の受講生の迷惑になりますし、グループ演習に参加できない場合があります。また、私語や飲食は厳に慎んでください。これは言うまでもなく、最低限の授業におけるマナーです。受講に際してとくに対応が必要な場合(病気や怪我、障害など)は遠慮なく申し出てください。
 ⑤必要な資料や参考文献は授業内で配布、紹介します。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 <イントロダクション>
  授業の到達目標、進め方、成績評価方法等、各回の授業の概要
【第2回】
 <大学におけるピア・エデュケーション>
  ピア・エデュケーションの考え方、SCOTプログラム
【第3回】
 <日本の高等教育の現状>
  教育の質保証、学力低下論、社会人基礎力、準備学習①
【第4回】
 <世界の高等教育の現状>
  高等教育制度とエンプロイアビリティ(就業可能性)の育成、準備学習②
【第5回】
 <自分の大学を知る:自校教育)
  帝京大学の沿革、建学の精神、理念・目的 準備学習③
【第6回】
 <現代の若者像①>
  自分たちの世代を知る、準備学習④
【第7回】
 <現代の若者像②>
  自分たちの世代を考える(発表とディスカッション) 準備学習⑤
【第8回】
 <思春期と青年期①>
  思春期 青年期の発達と大学生活、準備学習⑥
【第9回】
 <思春期と青年期②>
  思春期・青年期の発達と大学生活を考える(発表とディスカッション)、準備学習⑦
【第10回】
 <学修ポートフォリオとは何か>
  学修ポートフォリオ作成の進め方、コンセプトマップとは
【第11回】
 <中間まとめ>
  これまでの学習の振り返り(学修ポートフォリオの確認)、準備学習⑧
【第12回】
 <より良く学ぶために①>
  様々な教授・学習理論、ティップス先生の7つの提案(優れた授業の原則)、準備学習⑨
【第13回】
 <より良く学ぶために②>
  深い学習(Deep Learning)と浅い学習の理論 準備学習⑩
【第14回】
 <よい聞き手となるために>
  コミュニケーション演習(予定)
【第15回】
 <学習総括>
  授業の振り返り、小テスト、学修ポートフォリオの確認・提出