Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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アクティブ・ラーニング特論 II 宮原 俊之
選択  2単位
【教育文化】 17-1-3082-4419-02

1. 授業の概要(ねらい)

 この授業では、前期(Ⅰ)と後期(Ⅱ)をとおして初等・中等教育において、アクティブ・ラーニングを実現するための授業設計(指導案の作成)を行うことができることを目標とします。
 さて、みなさん、「アクティブ・ラーニング」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
 現在、次回の学習指導要領の改訂でこの「アクティブ・ラーニング」という文言が入ることが予想されていますが、そうなったとき、みなさんは、どのような授業方法をとる(授業設計を行う)べきでしょうか?
 教育方法の理論であるインストラクショナルデザインをとおしてこれを学びます。
 前期(Ⅰ)では、授業1回分(またはそれ以下)をターゲットに、アクティブ・ラーニングを実現するための授業設計をまず自分で行い、評価します。
 後期(Ⅱ)では、前期(Ⅰ)の評価を踏まえて、授業全体で捉えつつ、全体構成の設計を含めて「良い」授業設計について考え作成します。
 ですから、できるだけⅠ・Ⅱの両方を受講をおススメします。
 また、ICTを効果的に教育に活用することに興味がある方にも、役立つでしょう。

2.
授業の到達目標

 ・学生は、科目全体の授業構成を踏まえたうえで、アクティブ・ラーニングを実現するための授業設計(指導案の作成)を行うことができます。
 ・学生は、「インストラクショナル・デザイン」の概要について(自分の言葉を使って)説明できます。
 ※本授業を受講される方は、できるだけ、I・II とも履修してください。
 (理由は、「1.授業の内容」を参照のこと)

3.
成績評価の方法および基準

 定期試験は行いません。授業への取り組み、課題、最終成果物を総合的に評価します。
【出席】直接的な最終評価には影響しませんが、無断での欠席が4回を超えた場合は評価対象外とします。
【授業での取り組み】25%
【課題】25%
【最終成果物】50% (最終指導案、報告書、発表資料、他者評価結果など)

4.
教科書・参考書

 特に定めませんが、持っていて損にならない参考書籍については、授業の際に紹介します。

5.
準備学修の内容

 授業時間では演習を多く行うため、授業時間外に、課題への取り組みや、演習に関係する準備、作業が発生します。

6.
その他履修上の注意事項

 基本的なパソコンの操作ができること、「授業の概要・目的」に興味があることが受講の前提条件です。
 最後まであきらめずに新しいことに自ら挑戦できる自信も必要です。
 受講人数によって、授業内容・方法を変更する可能性があります。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
 自己紹介と具体的な授業の進め方と計画、評価方法などについて確認します。
【第2回】
 アクティブ・ラーニング特論Ⅰの復習
 授業1回分の授業設計において、アクティブ・ラーニングを実現するために必要なことについて復習します。
 [課題] アクティブ・ラーニングを実現するために必要なことを書き出してみよう
【第3回】
 授業全体構成の設計
 それぞれが考えるアクティブ・ラーニングを実現することを踏まえた授業全体構成を設計します。
 [課題] アクティブ・ラーニングを実現することを踏まえた授業全体構成を設計しよう
【第4回】
 授業全体構成案の発表1
 グループにて授業全体構成案の発表を行い、自分の構成案のどこにアクティブ・ラーニングを実現するための工夫がされているのかを説明します。
 グループの他のメンバから意見をもらいます。
【第5回】
 授業全体構成案の発表2
 グループにて授業全体構成案の発表を行い、自分の構成案のどこにアクティブ・ラーニングを実現するための工夫がされているのかを説明します。
 グループの他のメンバから意見をもらいます。
 自発表、他者発表、他者評価から得たことをまとめます。
【第6回】
 アクティブ・ラーニングを考える
 アクティブ・ラーニングを実現するために授業全体構成に必要なことをグループごとにまとめます。
 [課題] アクティブ・ラーニングを実現するために必要なことってなんだろう
【第7回】
 課題発表と授業全体構成案の中間修正
 グループごとに課題の発表を行い、他グループから意見をもらいます。
 各自、ここまでの議論を踏まえて授業全体構成案の修正を行います。
 [課題] 授業全体構成案を修正しよう
【第8回】
 授業全体構成案の中間修正報告
 グループの中で修正した部分について報告し、意見をもらいます。
 (必要に応じて再度修正します)
【第9回】
 インストラクショナルデザインのモデルと分析
 インストラクショナルデザインの代表的なモデルを紹介します。
【第10回】
 インストラクショナルデザインにおける評価
 学習効果の評価方法である「カークパトリックの4段階」などについて取り上げます。
【第11回】
 授業全体構成のモデル作成1
 ここまで学んだこと、得たことを使って、グループでアクティブ・ラーニングを実現することを踏まえた授業全体構成のモデルを作成します。
【第12回】
 授業全体構成のモデル作成2
 ここまで学んだこと、得たことを使って、グループでアクティブ・ラーニングを実現することを踏まえた授業全体構成のモデルを作成します。
 評価用のルーブリックも作成し、発表準備を行います。
【第13回】
 発表会
 グループごとに作成した授業全体構成のモデルを発表します。
【第14回】
 授業全体構成案の最終版作成
 これまでの授業を踏まえて、修正し、最終版を作成します。
 グループで、それぞれの最終版について報告します。
【第15回】
 まとめ