Web Syllabus(講義概要)

　本実習では文化財を科学的な視点から調査し、その文化財の保存や管理法を考えることができるようになることを目的としています。そこで、①資料の科学的調査方法、②資料の保存修復、③資料の保存環境管理について実習を交えながら取り扱います。①については、それぞれが興味を持っている資料を対象に顕微鏡観察、写真撮影、蛍光X線分析装置による元素分析、②については、実際の文化財資料を使用し、保存修復前の写真撮影、実体顕微鏡による観察、クリーニング、安定化処置、強化処置、③については講義と文化設備の見学を行う予定です。

　資料の保存において状態調査および保存管理の重要性を理解し、これらを実践する手法を習得し、博物館学芸員や文化財専門職員として働く場合に備えることを目標とします。

　実習成果（50％）とレポート（50％）で評価します。

　テキストとして教場にてプリントを配布します。
　参考図書：『文化財のための保存科学入門』角川書店
　　　　　 『文化財保存環境学』朝倉書店

　資料の保存や展示には、材質に関する科学的知識や光、赤外線、紫外線、温湿度、ガスなどの評価が重要になります。高校レベルの化学やこうした要素の性質や特徴を各自で予習してください。

　博物館や美術館を訪問し、資料だけではなく施設の構造や資料の展示方法を観察するようにしてください。