Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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美術史・文化遺産特殊講義4C- I 藤澤 明
選択必修  2単位
【史】 17-1-3083-4091-02

1. 授業の概要(ねらい)

 美術工芸品が製作された背景には、構成する材料が入手可能であること、加工する道具があること、加工する技術があること、流通や販路が確保できていることが不可欠です。つまり美術工芸品は、作られた当時の歴史的、文化的、民俗学的、技術的背景が反映されています。よって、文化財の持つ意味を考えるには、文化財を構成する素材と技法の知識は欠かすことのできないものです。本講義では、美術工芸品に使用される主な素材について、制作技法を含めて材料科学的視点から紹介します。科学的内容を含みますが、理系的な物質の捉え方を理解することで、史学研究との接点を深める機会になることを期待します。

2.
授業の到達目標

 美術工芸材料についての基礎的知識を習得し、美術工芸品に接する際に単に鑑賞するだけでなく、技術的背景まで考えることができるようになることを目標とします。

3.
成績評価の方法および基準

 中間レポート(30%)と期末テスト(70%)で評価します。

4.
教科書・参考書

 テキストとして教場にてプリントを配布します。
 参考図書:『文化財のための保存科学入門』角川書店
      『初級金属学』内田老鶴圃

5.
準備学修の内容

 材料科学には、元素記号や化学式を理解する必要があります。それら理系分野の記号について各自勉強してください。

6.
その他履修上の注意事項

 博物館や美術館を訪問し、美術工芸品を鑑賞する機会を作ってください。また、キャプションに書かれている材質や技法で分からないものがあれば調べるようにしてください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 美術工芸品の種類
【第2回】
 保存科学の歴史
【第3回】
 科学知識の基礎―物質の構造―
【第4回】
 科学知識の基礎―計測と単位―
【第5回】
 鉄鋼材料学の基礎
【第6回】
 非鉄材料学の基礎
【第7回】
 金属器の成形法
【第8回】
 金属器の加飾法
【第9回】
 東西のガラス
【第10回】
 木材の科学
【第11回】
 紙の種類とその科学
【第12回】
 染織品の科学
【第13回】
 染料の種類とその科学
【第14回】
 漆の科学と漆工
【第15回】
 顔料の種類と歴史