Web Syllabus(講義概要)

　文化財が製作された背景には、構成する材料が入手可能であること、加工する道具があること、加工する技術があること、流通や販路が確保できていることが不可欠です。よって、文化財を対象に自然科学的手法を用いて研究することで、作られた当時の歴史的、文化的、民俗学的、技術的背景を明らかにできることがあります。これまでに文化財の研究によってどんなことが分かって来たのかを研究事例や論文を通して紹介します。科学的内容を含みますが、理系的な研究の手法を学ぶことで、史学研究との接点を深める機会になることを期待します。

　史学的研究や考古学的研究と自然科学的研究の接点を学び、他分野にまたがる研究の必要性について理解することを目標とします。

　中間レポート（30％）と期末テスト（70％）で評価します。

　テキストとして教場にてプリントを配布します。
　参考図書：『文化財のための保存科学入門』角川書店
　　　　　 『科学が解き明かす古代の歴史』クバプロ

　材料科学には、元素記号や化学式を理解する必要があります。それら理系分野の記号について各自勉強してください。

　「美術史・文化遺産特殊講義４Ｃ‐Ⅰ」をあわせて受講することを勧めます。
　博物館や美術館を訪問し、美術工芸品を鑑賞する機会を作ってください。