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授業の概要(ねらい) |
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「文化財行政学Ⅰ」では主に日本国内の文化財保護制度について扱いますが、「文化財行政学Ⅱ」は、「世界遺産制度」を含む世界の文化財に対する認識について扱います。文化財の多くは、過去の人間の営みにともなう痕跡であり、単に物質でしかないものも多くあります。これを人間が文化財として認識することで初めて文化財となります。よって、文化財の認識には国民性、民族性、地域性が影響します。また、文化財は人類共通の遺産であり、文化財の所有者および関係者は、できるだけこれを公開するなどその文化的活用に努めなければなりません。しかし文化財の保護においては保存と公開活用は矛盾する課題であり、世界中でその問題が議論されています。本授業では、世界遺産制度だけでなく文化財を保護していくためにはどんなことを考えなければならないのかについて明らかにします。
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2. |
授業の到達目標 |
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世界を含めた文化財の種類と重要性を認識し、その保存と活用を行うための組織の在り方、方法論、問題点を理解することを目標とします。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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中間レポート(30%)と期末テスト(70%)で評価します。
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教科書・参考書 |
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テキストとして教場にてプリントを配布します。 参考図書:『文化遺産の保存と国際協力』風響社
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準備学修の内容 |
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近年、多くのメディアを通して世界遺産について耳にする機会が増えています。その対象の何が評価されて登録されたのか調べるようにしてください。
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その他履修上の注意事項 |
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文化財は身の回りのどこにでも存在します。日ごろから注意して文化財を認識し、その価値がどこにあるのか考えるようにしてください。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 日本の国際協力の事例紹介 | 【第2回】 | 文化遺産の文化遺産の定義と保存 | 【第3回】 | 文化財の種類(世界) | 【第4回】 | 文化遺産保存のための地域協力-出発点とアジア- | 【第5回】 | 文化遺産保存のための地域協力-ヨーロッパ- | 【第6回】 | ユネスコの文化遺産保存事業 | 【第7回】 | ユネスコの文化遺産保存事業 | 【第8回】 | 文化遺産保存関係の勧告 | 【第9回】 | 文化遺産保存関係の条約 | 【第10回】 | 文化遺産保存関係の条約―世界遺産条約― | 【第11回】 | 文化遺産保存関係の条約―事例― | 【第12回】 | ヌビア砂漠の救済の展開 | 【第13回】 | ヌビア砂漠の救済の意義と問題 | 【第14回】 | 遺跡保存の問題点 | 【第15回】 | 文化財の返還問題 |
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