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授業の概要(ねらい) |
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古事記を読みます。 古事記は和銅5年(712)に成立したと、その序文にしるされる、わが国に現存する最古の書物です。上・中・下の3巻からなり、上巻は世界の始まりからカムヤマトイハレビコノミコト(神武天皇)の誕生までの神代、中巻は神武天皇から応神天皇までの、神と人の中つ代、下巻は仁徳天皇から推古天皇までの人代を語り、推古天皇までを古代とする歴史認識のもとに編まれています。 天皇王権の由来と正統性を、神話に規範を仰ぎつつ説くもので、中巻には神武東征やヤマトタケルの全国征旅など、王権の確立を語る物語が置かれています。一方で、サホビコ・サホビメきょうだいの叛乱伝承など、王権に抗して倒れた人々の物語をもしるし、その悲劇性が古事記の豊かな文学性のみなもとともなっています。また、下巻には儒教的君子仁徳天皇を先立てて、人の代の、国の統治のあり方が、多くの恋物語に絡めて語られています。 春期は上巻を読みます。古文の知識がなくても分かるように説明します。難しく考えないで、まず、古事記の物語性を楽しみたいと思います。
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2. |
授業の到達目標 |
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古事記の神話や説話を読むことを通じて、古代の文学に親しみをもつことができる、古代の人々のものの考え方や生き方を知ることができる、古代文学に関する基礎的な知識を修得することができる、を目標とします。
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成績評価の方法および基準 |
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期末試験(50%)と平常点(出席状況・コメントシート・小レポートなど併せて。50%)によって評価します。
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教科書・参考書 |
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テキスト:プリントを用意します。 参考文献:『古事記の世界』(西郷信綱、岩波新書)など、授業時に紹介します。
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5. |
準備学修の内容 |
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・授業で取り上げた箇所について、復習すること。 ・授業時に紹介した参考書などにふれる機会をもつこと。 ・自ら疑問をたて、さらに発展的に学習すること。
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その他履修上の注意事項 |
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出席することが大切です。遅刻をしないこと。また、授業マナーは守りましょう。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 古事記とは何か(古事記の成立・編者・文体など)① | 【第2回】 | 古事記とは何か(古事記編纂の背景―天武天皇と新王朝)② | 【第3回】 | 古事記序文について(天武天皇から元明天皇にいたる時代) | 【第4回】 | 世界のはじまりをどう語るか | 【第5回】 | イザナキとイザナミ―兄妹婚と世界の立てなおし | 【第6回】 | 黄泉の国訪問(死者の世界はどのように考えられていたか) | 【第7回】 | 死のけがれの中からうまれ出た、世界を統べる者―アマテラス | 【第8回】 | 理知的な姉アマテラスと乱暴者の弟スサノヲの相剋(秩序・破壊・再創造) | 【第9回】 | 身を隠すアマテラス―天の岩戸神話(太陽の死と再生) | 【第10回】 | スサノヲの女神殺害(穀物の起源と大地母神) | 【第11回】 | ヤマタノヲロチ退治(自然神から新しい文化神への交代) | 【第12回】 | 大国主神と因幡のシロウサギ(呪医としての王―王の資格とは何か) | 【第13回】 | 大国主神の受難と根の国訪問(王は異界の力を身に帯びて統治する) | 【第14回】 | 八千矛神をめぐる愛と嫉妬の歌 | 【第15回】 | 出雲神話と大和の関係 |
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