1. |
授業の概要(ねらい) |
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実用の文字表記として発生した書について、日本を中心とする書の歴史を解説する。日本では、芸道思想の影響を強く受けながら、書道として独自の文化を構築するに到った。こうした日本固有の書道文化が成立し展開する過程について、各時代の作品や歴史を理解することで、現代に継承された書道文化の把握に努める。具体的には、各時代の代表的な書の作例を取り上げながら、歴史的変遷について概観し、さらに個々の作例(書写年代や筆者、書写内容など)について確認するという方法で授業を進める。また、授業時間内に実際の書の鑑賞なども実施する予定である。
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2. |
授業の到達目標 |
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・日本における書の歴史的展開を説明できる。 ・各時代の代表的な書の作例について説明できる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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レポートの提出(4割)と、授業時間内の小テストおよび、授業への積極的な参加状況等を合計した平常点(6割)で評価する。
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4. |
教科書・参考書 |
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参考書:『決定版 日本書道史』(芸術新聞社) 参考書:『日本・中国・朝鮮 書道史年表事典』(書学書道史学会編、萱原書房)
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5. |
準備学修の内容 |
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・美術館、博物館などの常設展や特別展を利用して、実物鑑賞の機会を多く持つように心掛ける。また、参考文献や授業時間内に配布するプリントを活用して、予習と復習を行う。
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6. |
その他履修上の注意事項 |
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・第1回目の授業の冒頭で、本科目の到達目標やレポート課題、成績判定方法について説明を実施する。履修希望者は例外なく必ず出席し、履修希望票(第1回目の授業時間内に配布)を提出すること。 ・レポートは、美術館・博物館の見学が必須となる。授業内容に関連する書の作例を実際に見学し、書写年代や筆者、書風の特徴などを自分で調べ、レポートにまとめる。また、書道と関連する、同時代の美術工芸や文化にも関心を持つことが重要である。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | 授業の目的と内容、授業の進め方、評価の仕方など | 【第2回】 | 日本古代の文字資料(弥生~古墳時代) | 【第3回】 | 奈良時代の書(漢字) | 【第4回】 | 奈良時代の書(万葉仮名) | 【第5回】 | 平安時代の書(三筆の書) | 【第6回】 | 平安時代の書(三跡の書) | 【第7回】 | 平安時代の書(高野切・関戸本古今集・三色紙) | 【第8回】 | 平安時代の書(藍紙本万葉集・元永本古今集・石山切貫之集下) | 【第9回】 | 平安~鎌倉時代の書(藤原教長・寂蓮・西行・藤原俊成) | 【第10回】 | 鎌倉時代の書(書流について) | 【第11回】 | 南北朝・室町時代の書(墨跡) | 【第12回】 | 安土・桃山~江戸時代の書(寛永の三筆) | 【第13回】 | 江戸時代の書(上代流・唐様) | 【第14回】 | 江戸~明治時代の書 | 【第15回】 | 日本書道史研究の展望 |
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