【第1回】 |
イントロダクション: (以下基本的に講義形式ですが、発言を求める場合もあります)人間の心を探る学問が考えるべき倫理の問題について考え、人間の心を生物の進化の歴史の中で考える視点を紹介する。 |
【第2回】 |
動物の行動はいかに研究されてきたか? 心理学の歴史を振り返り、動物の行動がどのように考えられ、どのように研究されてきたか、そこにどんな問題があったかを学ぶ。 |
【第3回】 |
動物の行動を学ぶ意義は何か? 今日の心理学では動物の行動研究がどのような意義を持っているかを考え、神経科学、精神薬理学など、動物の行動を研究する関連領域を紹介する。 |
【第4回】 |
動物は外界をどのようにとらえているか? 動物の視覚や聴覚をどのように研究するかを学び、人間が感じている世界が「正しい」世界ではないことを理解する。また、感覚と感情の結びつきについて考える。 |
【第5回】 |
動物にとって「痛み」とは何か? 日常生活や臨床にとって意義の深い痛覚を取り上げ、痛みとはどのようなものか、私たちは他者の痛みをどのように理解すれば良いかを考える。 |
【第6回】 |
動物はどのように体を動かすか? 脳のはたらきとの関連に触れながら、動物がどのように体を動かしているかを学ぶ。脊髄損傷、筋ジストロフィー、パーキンソン病など、運動機能を損なう神経の病気についても触れる。 |
【第7回】 |
動物はなぜ行動するのか? 行動の「動機づけ」と呼ばれる現象について、心理学ではどのような研究がおこなわれてきたか、そこでどんなことが分かったか、また、どんな疑問が残されているかを考える。 |
【第8回】 |
動物に感情はあるのか? 喜びや悲しみといった感情こそ、人間の心の最も人間らしい特徴だと考える人は多い。それでは動物には感情はないのだろうか? 動物の感情を研究するにはどうすれば良いのだろうか? その学びを通して感情とは何かを考える。 |
【第9回】 |
動物は新しい行動をどのように学ぶか?(レスポンデント条件づけ) パブロフ以来の条件づけの研究について、心理学の歴史に沿って、どんなことが考えられてきたかを学ぶ。心身の健康問題と条件づけが深くかかわっていることを知る。 |
【第10回】 |
動物は新しい行動をどのように学ぶか?(オペラント条件づけ) ソーンダイク以来の「学習心理学」の歴史を振り返り、行動分析学に至る道を理解する。行動の形成と維持について、行動分析学の知見が教育や臨床にどのように役立っているかを考える。 |
【第11回】 |
動物は知的な行動をするか? 高度な知能を持つことが人間の特徴だと考える人は多い。しかし、知的な活動とは何だろうか? 動物の行動研究にそのヒントが見つかるかも知れない。条件性弁別や見本合わせといった行動の研究法を解説し、知的な行動に実験的に迫る試みを紹介する。 |
【第12回】 |
動物はどのようにものを覚えるか? 「記憶」がいかにして研究されてきたかを振り返り、動物の記憶研究法を紹介する。記憶という現象の背景にある脳のメカニズムについても解説する。 |
【第13回】 |
動物はどうやってコミュニケーションをとっているか? 言葉を持つのは人間だけだと考える人は多いが、言語の機能を注意深く分析すると、動物の行動にもその萌芽がある。動物は動物なりの方法でかなり高度なコミュニケーションを実現している。「コミュ障」などという言葉もある現代、言葉の原点をさぐる研究の意義を考える。 |
【第14回】 |
動物はどうやって社会を作っているか? 最近、動物の社会行動に関する研究はいちじるしく進歩した。協力、競争、共感といった現象がどのように研究されてきたかを学び、それが人間の「きずな」を理解するためにどのように役立っているかを考える。 |
【第15回】 |
まとめ:人間とは何だろうか? 私たちの究極の目標は「自分とは違う他者」を理解することである。宗教や民族による対立が鮮明になってきた今日、他者理解に関して心理学を学んだ人が発信しなければならないことは多い。動物の行動研究は究極の他者理解の試みと言えるのではないか? 私たちはこれまでに学んだことを批判的に総括し、さらに新しい地点に進まなければならない。 |