Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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ミクロ経済学 I 川上 淳之
教職  2単位
【教職】 17-1-1110-3809-19A

1. 授業の概要(ねらい)

 ミクロ経済学は、個人や企業の行動について考える学問です。そして、その行動によって、貴重な資源が効率的に配分されているかを考えます。具体的には、
 ① 企業が利潤を追求する上でどれだけ製品を作るのか、消費者個人が自分の欲求に合わせてどれだけ消費を行うか、その行動原理を理解します。
 ② 完全競争市場という特別なケースを想定した市場では、価格による調整で両者の欲求が一致した取引量が決まる時に効率的な資源配分が達成できることを示します。そして、
 ③ ②の最適な資源配分が成り立たない「市場の失敗」が起きるケースについて考えます。
 ミクロ経済学Ⅰは、①と②を中心に学びます。また、講義を理解するためには、中学生レベルの数学の知識と、図表を読む力を必要としますが、講義内で復習を実施します。

2.
授業の到達目標

 ミクロ経済学における消費者の行動原理について、図・数式を用いた理解を深める。

3.
成績評価の方法および基準

 期末試験(80%)、中間テスト(20%)に加えて、出席・発言を評価する。

4.
教科書・参考書

 安藤至大『ミクロ経済学の第一歩』有斐閣ストゥディア
  これ以外に用いる文献は、講義内で紹介する。

5.
準備学修の内容

 予習・復習を欠かさないことが望ましい。

6.
その他履修上の注意事項

 講義内容をスムーズに理解する上で、受講者は既に入門ミクロ経済学の単位を修得していることが望ましい。また、講義内の発言は、その内容が間違っていても評価に加える。積極的な講義への参加を希望する。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ミクロ経済学とは?①
 「ミクロ経済学で扱う内容を確認し、図や数式を使った分析方法を紹介します」
【第2回】
 ミクロ経済学とは?②
 「財やサービスを購入することとそこから得られる利益を、経済学の枠組みでとらえます」
【第3回】
 個人の選択を考える①
 「人々の意思決定をインセンティブ・トレードオフをキーワードに考えます」
【第4回】
 個人の選択を考える②
 「人々の意思決定を機会費用・限界概念をキーワードに考えます」
【第5回】
 需要曲線と供給曲線①
 「完全競争市場という概念を理解します」
【第6回】
 需要曲線と供給曲線②
 「個人と市場全体との関係と、需要・供給曲線の変化の要因をみます」
【第7回】
 前半の復習
【第8回】
 市場均衡の効率性①
 「完全競争市場で価格と取引量がいかに決定するかを考えます」
【第9回】
 市場均衡の効率性②
 「市場均衡で消費者が得る余剰を計算します」
【第10回】
 市場均衡の効率性③
 「市場均衡で企業が得る余剰を計算し、完全競争市場で余剰が最大になることを確認します」
【第11回】
 政府介入と死荷重の発生①
 「価格規制・参入規制が発生することの副作用を考えます」
【第12回】
 政府介入と死荷重の発生②
 「課税を課し・補助金を支給することの副作用を考えます」
【第13回】
 市場の失敗と政府の役割
 「完全競争市場が成立しないケースを紹介します」
【第14回】
 労働市場
 「ミクロ経済学を労働市場に応用し手紹介します」
【第15回】
 後半の復習