1. |
授業の概要(ねらい) |
|
企業の発展や事業の再構築にとって経営戦略という考え方が重要になります。戦略という軍事用語を経営学の分野に持ち込んだのは、ハーヴァード・ビジネススクールのA.D.チャンドラー教授です。彼は、「『戦略』とは、長期の基本目標を定めたうえで、その目標を実現するために行動を起こしたり、経営資源を配分したりすること」と述べています。本講義では、学説の流れを踏まえたうえで、経営学や経営史の事例研究(case study)の成果も援用して、現代の経営戦略論を構成する多様な戦略概念を具体的に説明したい。春学期開講のIでは、代表的な経営戦略論の学説を紹介して、20世紀のアメリカ合衆国における大企業の発展、経営戦略と組織の関連、イノヴェーションとビジネス機会をめぐる戦略、などを中心に講義したい。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
〇経営戦略のフレームワークを把握し、これが経営組織の形成に影響を与えることを理解する。 〇経済発展と企業経営が、国によって異なることを理解する。 〇産業の特性を踏まえて、イノヴェーションとビジネス機会に関する理解を深める。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
2回の授業時の小テストと期末筆記試験による。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
特定の教科書を使用せずに、パワーポイントで講義する。講義時に配布するスライド・レジュメを見ながら、時にはメモを取り一緒に考えてみて下さい。参考文献としては、以下のものを挙げますが、講義でも適宜紹介します。 A.D.チャンドラー『組織は戦略に従う』(ダイヤモンド社) M.E.ポーター『競争優位の戦略』(ダイヤモンド社) 伊丹敬之『経営戦略の論理 第4版』(日本経済新聞社)
|
5. |
準備学修の内容 |
|
毎回の講義で紹介する参考文献を読書してみて下さい。講義の理解が深まります。
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
授業への出席と参加は、不可欠です。また、担当教員が収集したヴィデオ教材も講義で活用します。オフィス・アワー時の研究室訪問を歓迎します。積極的に利用して下さい。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | 講義の狙いや意義、参考文献の紹介、学習へのアドヴァイス等について | 【第2回】 | A.D.チャンドラーと経営戦略 | 【第3回】 | マイケル・ポーターの競争戦略論 | 【第4回】 | 経済発展と企業経営 1(先発国) | 【第5回】 | 経済発展と企業経営 2(米国) | 【第6回】 | 経済発展と企業経営 3(後発国) | 【第7回】 | 経営戦略と組織 1(職能別組織、事業部制、子会社) | 【第8回】 | 経営戦略と組織 2(財閥の経営組織) | 【第9回】 | 企業の環境と経営戦略 | 【第10回】 | イノヴェーションの意義 | 【第11回】 | イノヴェーションとビジネス機会 1 (パソコンの誕生) | 【第12回】 | イノヴェーションとビジネス機会 2 (「IT革命」) | 【第13回】 | イノヴェーションとビジネス機会 3 (スーパーマーケットの誕生) | 【第14回】 | イノヴェーションとビジネス機会 4 (ダイエーの挫折) | 【第15回】 | 講義のまとめ |
|