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授業の概要(ねらい) |
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企業の発展や事業の再構築にとって経営戦略という考え方が重要になります。戦略という軍事用語を経営学の分野に持ち込んだのは、ハーヴァード・ビジネススクールのチャンドラー教授です。彼は、「『戦略』とは、長期の基本目標を定めたうえで、その目標を実現するために行動を起こしたり、経営資源を配分したりすること」と述べています。本講義では、学説の流れを踏まえたうえで、経営学や経営史の事例研究(case study)の成果も援用して、現代の経営戦略論を構成する多様な戦略概念を具体的に説明したい。秋学期開講のIIでは、企業の競争優位構築を目指すM&A、差別化、情報化、多角化、総合化、ブランド、国際化などの戦略を具体的に論じます。
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授業の到達目標 |
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〇産業の特性を踏まえて、競争優位戦略に関する特徴や史実を把握する。 〇ビジネスにおけるイノヴェーションや情報の重要性を具体的に理解する。 〇ライフサイクルや成熟化による産業の変遷に関する知識を深める。 〇M & A戦略、多角化戦略、国際化戦略が企業成長に及ぼす影響を具体的につかむ。
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成績評価の方法および基準 |
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2回の授業時の小テストと期末筆記試験による。
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教科書・参考書 |
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特定の教科書を使用せずに、パワーポイントで講義する。講義時に配布するスライド・レジュメを見ながら、時にはメモを取り一緒に考えてみて下さい。参考文献としては、以下のものを挙げますが、講義でも適宜紹介します。 A.D.チャンドラー『組織は戦略に従う』(ダイヤモンド社) ジェフリー・ジョーンズ『国際経営講義』(有斐閣) マイケル・E.ポーター『競争戦略論』I、II(ダイヤモンド社) 堀栄三『大本営参謀の情報戦記:情報なき国家の悲劇』(文春文庫) ハワード・コックス『グローバル・シガレット:多国籍企業BATの経営史1880~1945』(山愛書院) 三和良一・鈴木俊夫『日本たばこ産業 ―百年のあゆみ―』(山愛書院) 高橋琢磨『戦略の経営学』(ダイヤモンド社)
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準備学修の内容 |
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毎回の講義で紹介する参考文献を読書してみて下さい。講義の理解が深まります。
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その他履修上の注意事項 |
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授業への出席と参加は、不可欠です。また、担当教員が収集したヴィデオ教材も講義で活用します。オフィス・アワー時の研究室訪問を歓迎します。積極的に利用して下さい。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | 講義の狙いや構成、参考文献の紹介、学習へのアドヴァイス等について | 【第2回】 | M&A戦略 | 【第3回】 | 「規模の経済」と「範囲の経済」 | 【第4回】 | 事業ドメインと差別化戦略 | 【第5回】 | 情報戦略 | 【第6回】 | 産業のライフサイクル | 【第7回】 | 多角化戦略 | 【第8回】 | 総合化戦略とニッチ戦略 | 【第9回】 | 選択と集中戦略(J.ウェルチ) | 【第10回】 | デファクト・スタンダード戦略 | 【第11回】 | ブランド戦略 | 【第12回】 | 国際化戦略 1(国際金融センター) | 【第13回】 | 国際化戦略 2(ポートフォリオ投資) | 【第14回】 | 国際化戦略 3(直接投資) | 【第15回】 | 講義のまとめ |
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