Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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経済地理学 II 岡部 遊志
選択  2単位
【経営】 17-1-1120-4154-13A

1. 授業の概要(ねらい)

 概要:本講義では経済地理学を学びます。経済学の分野では多くの場合、経済活動が行われている空間の広がりを考慮に入れません。しかし地域経済学や経済地理学では空間の広がりを考慮し経済活動を分析していきます。本講義ではそうした学問分野に触れつつ、より簡単に、地域を経済的に理解する方法を学びます。
 趣旨:グローバル化に伴い、経済活動は世界規模で展開されるようになり、国際競争が激化しています。その一方で、国家より狭い範囲となる「地域」が経済再生のカギであるとして注目を集めています。本講義では、グローバル化の進展と、「地域」への注目が日本の地域の経済に対していかなる影響や効果を及ぼしたのか、また地域がどのように問題に対応しようとしているのか、経済地理学的な観点から事例を考察します。
 学びの方向性:まず、第2次世界大戦後の日本経済の歴史の中で、都市と農村の間にどのように格差が広がっていったか、学びます。そして、政府が格差是正のために行ってきた様々な政策について学びます。そうした地域経済の形成過程を踏まえたうえで、様々な人口規模の地域を取り上げ、分析します。

2.
授業の到達目標

 ・経済地理学Iで学んだことを踏まえて、事例を分析することによって、多様な地域の経済の形態を理解する能力を身につける。

3.
成績評価の方法および基準

 リアクションペーパー:20%
 小レポート:20%
 試験:60%

4.
教科書・参考書

 ・教科書は使用しません。また参考文献については適宜指示します。
 ・参考文献として以下の2点をお勧めします。
   中村剛次郎編(2008)『基本ケースで学ぶ地域経済学』有斐閣。
   竹内淳彦編(2014)『日本経済地理読本第9版』東洋経済新報社。
  またその他の参考文献も講義中に指示します。

5.
準備学修の内容

 授業にて次の回の授業に関連したプリントを渡します。それを読み、感想を書いてくることが授業の準備となります。また、授業終了時に復習のための課題を配布します。

6.
その他履修上の注意事項

 抽象的な事柄を扱うことが多いので、リアクションペーパーなどを通じて皆さんの理解度を測ることを予定しているので、積極的に授業に参加してください。また授業内容は経済地理学Iから連続しているので、両方受講することが望ましいです。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンスとイントロダクション
【第2回】
 現代の日本の経済地理的な姿
【第3回】
 日本の経済の歴史(1) -高度経済成長期の地域経済と地域間格差-
【第4回】
 日本の経済の歴史(2) -グローバル化・低成長時代における経済活動の再編と新たな動向-
【第5回】
 国家による地域開発(1) -全国総合開発を中心とした日本の地域開発の歴史
【第6回】
 国家による地域開発(2) -日本の事例と海外の事例の比較-
【第7回】
 地域の経済地理学的な調べ方 -地元を経済地理的に調べてみよう-
【第8回】
 大都市圏の経済地理(1) -世界都市東京の経済地理-
【第9回】
 大都市圏の経済地理(2) -大阪と名古屋はどうなっているか-
【第10回】
 地方中心都市の経済地理 -地方中心都市における経済地理-
【第11回】
 工業都市の経済地理 -工業都市の経済地理の特徴と今後-
【第12回】
 地方都市の経済地理 -地方都市の衰退と新たな活性化の取り組み-
【第13回】
 農山村の経済地理 -過疎化に伴う農村経済の変容と再生への取り組み-
【第14回】
 海外の地域の再生に向けた取り組み
【第15回】
 まとめ