Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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経済地理学 I 岡部 遊志
選択  2単位
【史】 17-1-1120-4154-24A

1. 授業の概要(ねらい)

 概要:本講義では経済地理学を学びます。経済学の分野では多くの場合、経済活動が行われている空間の広がりを考慮に入れません。しかし地域経済学や経済地理学では空間の広がりを考慮し経済活動を分析していきます。本講義ではそうした学問分野に触れつつ、より簡単に、地域を経済的に理解する方法を学びます。
 趣旨:グローバル化が進む中で多くの地域が国際競争や国内競争にさらされ、地域格差が広がっています。そうした中で地域を維持、発展させるためにはどうしたらよいのかという議論がされるようになってきました。こうした問いに答えるために、地域を経済的に理解する方法を学びましょう。
 学びの方向性:まず、どのようにして人はそこに住むのか、そして経済が発生するのかについて、経済地理学、特に立地論の基礎を学びながら理解します。そして、産業の地域的編成を理解するとともに、グローバル化などによる産業の再編成についても学びます。その後、クラスター理論や内発的発展論など、これまでに行われ、そして将来の地域再生にも参考になる地域経済に関する理論を紹介します。最後にどのように地域を維持・発展していくかについての政策的な課題を検討します。

2.
授業の到達目標

 ・地域を経済的に分析するうえで重要となる概念を理解し、経済地理学の基礎を身に付ける。
 ・地域経済を維持・発展させる方法について学び、現在の地域経済の再生策について理解する。

3.
成績評価の方法および基準

 リアクションペーパー:20%
 小レポート:20%
 試験:60%

4.
教科書・参考書

 ・教科書は使用しません。また参考文献については適宜指示します。
 ・参考文献として以下の2点をお勧めします。
   松原 宏編著(2002)『立地論入門』古今書院。
   山﨑 朗・杉浦勝章・山本匡毅・豆本一茂・田村大樹・岡部遊志著(2016)『地域政策』中央経済社。
    またその他の参考文献も講義中に指示します。

5.
準備学修の内容

 授業にて次の回の授業に関連したプリントを渡します。それを読み、感想を書いてくることが授業の準備となります。また、授業終了時に復習のための課題を配布します。

6.
その他履修上の注意事項

 抽象的な事柄を扱うことが多いので、リアクションペーパーなどを通じて皆さんの理解度を測ることを予定しているので、積極的に授業に参加してください。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンスとイントロダクション
【第2回】
 経済地理学とは何か
【第3回】
 立地論入門(1)農業立地と工業立地
【第4回】
 立地論入門(2)中心地理論と都市システム論
【第5回】
 立地論入門(3)産業集積について
【第6回】
 産業の地域間分業と国内経済の再編成
【第7回】
 世界都市の成立と地域格差の発生・拡大
【第8回】
 グローバルな経済のリストラクチャリング
【第9回】
 新しい経済発展戦略 ―クラスター理論―
【第10回】
 地域からの経済再生 ―地域イノベーション―
【第11回】
 地域からの経済再生 ―内発的発展論―
【第12回】
 人的資本を活かした新しい「まちづくり」、「地域づくり」
【第13回】
 芸術活動や文化産業、観光産業による経済再生策
【第14回】
 地域を維持・発展させるためにはどのような政策が必要か
【第15回】
 まとめ