Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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演習 I 大下  茂
必修  2単位
【観光経営】 17-1-1130-3210-21A

1. 授業の概要(ねらい)

 2020年開催のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、我が国の観光は、ますます国際観光都市づくりや地域主体の観光まちづくりへと向っている。この演習では「地域・現場」に関心をもつ学生の参加を期待する。
 演習はグループワークを中心に、担当教員が関わっている「地域・現場」での様々な地域課題から学ぶ「アクティブラーニング(主体的学修)」を基本とする。研究テーマは、先輩諸氏が開拓した、1)国際観光都市づくり・観光まちづくりに関する観光地域づくりの推進(墨田・大田区・北区等)、2)道の駅での連携企画事業・バスタ新宿の新規事業開発、3)地域の個性・特性の活用に関する事業の推進(熊谷市のスポーツツーリズム)等であり、観光まちづくり分野における様々な事業展開につながることの実践的活動・研究に取組む。演習では、学生自身が主体的に取組み、多くの小さな失敗を重ねて失敗の型を身につけるとともに、仲間意識を育むことに前向きに取り組むことを期待する。
 また、受講者の関心領域や研究テーマに応じて現場で活動している自治体職員や専門家をゲスト講師として招聘し、地域・現場での様々な課題に対する対処法を実践的に演習する機会をつくる。
 演習の参加者や対象地域の関係者と協議しながら、夏季休暇中に2回程度の合宿を実施する予定である。合宿では、地域を研究活動で訪れる際の作法や地域でのものの見方等の演習を予定しているので、極力参加されることが望まれる。
 「楽しくなければ長つづきはしない」をテーマに、楽しみながら創造的な思考を迷走する演習としたい。

2.
授業の到達目標

 ①自らの興味・関心を明らかにした上で、自主的に研究テーマ設定や研究方法を考え、研究計画を立てることができる。
 ②地域・現場に出向く作法を身につけ、地域・現場に受け入れてもらうことができる。
 ③研究計画にしたがって文献調査や現地調査を計画的に行い、問題意識に対する解決手法を深めることができる。
 ④グループでの協働・協調により、1年間の研究活動を研究ノートや担当教員が準備する投稿論説として取りまとめることができる。

3.
成績評価の方法および基準

 最初に、文献資料の探し方、自主的な研究テーマの設定の仕方、研究計画の立て方等を学習した上で、その後は各自が選んだテーマに沿ってグループワークを中心に自主的な研究を継続してもらう。春学期と秋学期、それぞれの学期中に最低2回の発表を義務づける。担当者や参加者からの講評を受けながら、3年次末までにゼミ論(研究ノート)を完成させ、4年次では研究活動を深化させて卒業論文に結実されることを期待したい。
 演習系科目のため出席は必修である。評価はグループワークへの積極的参加の度合いが40%、各学期最低2回の発表の評価が30%、主体的なゼミ運営への貢献が30%の配分によって総合的に評価する。

4.
教科書・参考書

 日本都市計画学会や日本観光研究学会等の論文集を参考文献とする。また、以下の参考書を用いる。
 ①川喜田二郎 著『発想法』中公新書
 ②大下茂 著『行ってみたいと!と思わせる「集客まちづくり」の技術』学陽書房
 ③斉藤孝 著『質問力』ちくま文庫
 ④澤田昭夫 著『論文の書き方』講談社学術文庫

5.
準備学修の内容

 自分で選んだ研究テーマに対する研究・知識の習得に継続的に取り組むこと。
 休日等の時間を使い、現場でものごとを考えることを習慣化する姿勢をもつこと。
 休日を中心に都内の観光地等において担当教員とフィールドワーク(ゼミ散歩)を開催することも予定している。また、教員の関わる地域における様々な事業・イベントにも積極的に参加する。

6.
その他履修上の注意事項

 演習に参加することによって「物の見方や捉え方」「現実に至る過程や背景」等を習得され、マニュアル思考から脱皮することで、就職の際の差異・個性、卒業後必須の知識・思考を身につけてほしい。当然ながら、研究を通じて得た論理性・プレゼン・各種PCソフトの使い方・技能も身につくことに期待している。
 フィールドワークや研究対象地域での協議に積極的に参加することで、地域に迎え入れていただく心得を習得することを期待している。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
【第2回】
 観光まちづくりの現場と研究対象の解説
【第3回】
 合意形成手法としてのワークショップの技術
【第4回】
 グループワーク(1)~研究テーマの検討
【第5回】
 ミニ観光まちづくり講座(1)とグループワーク(2)~研究テーマの進め方
【第6回】
 グループワーク(3)~事前研究とフィールドワークについて
【第7回】
 ミニ観光まちづくり講座(2)とグループワーク(4)~関連資料収集
【第8回】
 グループワーク(5)~収集した資料の解析
【第9回】
 前期中間発表
【第10回】
 グループワーク(6)~研究テーマの仮説・到達点の検討
【第11回】
 ミニ観光まちづくり講座(3)とグループワーク(7)~取組み内容の詳細検討
【第12回】
 グループワーク(8)~取組み内容の詳細検討
【第13回】
 ミニ観光まちづくり講座(4)とグループワーク(9)~前期総括に向けて
【第14回】
 グループワーク(10)~前期の総括発表
【第15回】
 春学期の総括と夏季休暇中の研究の進め方について