1. |
授業の概要(ねらい) |
|
われわれはさまざまな情報に囲まれて生きている.正に情報が溢れた社会に生きており,経済主体(企業と消費者)にとって必要な情報を選択したり,何が正しい情報かを知ることさえ困難な状況にある.この授業では,情報化社会と経済の関わりを経済学における情報研究の成果に基づき明確にしたい.特に,今期は,以下に示す書物をテキストに,「情報と経済の関わり」について理論的な分析を試み,受講生各自が情報と経済の関わりについて自ら考え,いっそう進んだ研究へと研究を発展させられることがこの講義のねらいである.
|
2. |
授業の到達目標 |
|
情報と経済の関わりについて経済学的な視点から研究することによって,受講生自らが情報に関わる研究へと進むための基礎の構築が可能になり,と同時に研究するということの意味が理解できるようになること.
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
成績は,期中と期末のリポートの2点によって評価する.それぞれのウエイトは,期中のリポートが40%,そして期末のリポートが60%である.
|
4. |
教科書・参考書 |
|
テキストは,篠崎 彰彦『インフォメーション・エコノミー:情報化する経済社会の全体像』NTT出版 2014年.
|
5. |
準備学修の内容 |
|
受講生は大学院生であるから,各自何をしなければならないかは十分に理解しているはずであり,したがって,何も言うことはないが,老婆心からいえば,可能かぎり書物や論文を読破することが受講生の全てにとって必要不可欠なことである.
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
より多くの専門書や論文を読破してほしい.もちろん,内容の正確な理解が不可欠であるが.
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | 受講に当たっての諸注意と今期の講義内容全般の説明 | 【第2回】 | 情報革命の意味とは | 【第3回】 | 情報の経済学を学ぶ――情報を経済学ではどう扱ってきたか | 【第4回】 | 情報の経済学を学ぶ――経済主体間で情報の非対称性が存在すると | 【第5回】 | 情報の非対称性の研究が我々に与えてくれた教訓とは | 【第6回】 | 期待効用理論を学ぶ――期待効用と現実の経済社会 | 【第7回】 | 情報の収集は不確実性の軽減に繋がるか | 【第8回】 | 情報化社会とは何を意味しているのか――情報の産業化か産業の情報化か,そして消費者にとっての情報とは | 【第9回】 | 情報の多寡は経済にどう影響するか――情報は多い方が望ましいのか | 【第10回】 | 受講生の研究課題のなかでの情報の位置は | 【第11回】 | 情報化社会は混乱を招くか――情報化社会の功罪 | 【第12回】 | 経済学における情報の取り扱い | 【第13回】 | 経済学における情報の取り扱いを再考する | 【第14回】 | 観光と情報の関わりは――観光自体が情報ではないか | 【第15回】 | 授業のまとめ |
|