Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
法律学演習 III 北見 良嗣
選択  2単位
【法律】 17-1-1210-0179-11A

1. 授業の概要(ねらい)

 債権総論、担保物権法を中心に、金融取引において重要度の高い判例・論点や最近注目されているものを取り上げて勉強します。同時に、関連する民商法の他の領域も適宜取り上げ、ある程度民商法全体の理解に資するようにします。
 就職後不可欠となる、人前でのプレゼン・討議能力についても、ゼミを通じての習得を目指します。
 (1)開講時に、グループ別の構成を発表するとともに、取り上げるテーマ(論点)とスケジュールを提示します。
 (2)毎回、上記スケジュールに沿って論点毎に、担当ゼミ生から、上記テキストのうちの該当箇所等についての報告・発表を受けます。
    -まず、内田民法の該当箇所を纏めて報告。次に、他の参考文献と比較。
 (3)そのうえで、当該論点の中核をなす判例等を取り上げ、ゼミ生作成のレジュメに沿って報告・発表を受けます(論点は、学説の比較、判例の変遷など)。
 (4)その後、ゼミ生全員で、その金融実務に与えるインプリケーション等について、ディスカッションを行います。
 (5)全体の進捗状況をみながら、適宜break timeを設けます。

2.
授業の到達目標

 ①法学検定スタンダード<中級>コース以上の法律知識
 ②就職後に必要とされる一般教養

3.
成績評価の方法および基準

 報告、議論への参加、問題意識等を総合評価します。積極的な貢献を期待します。

4.
教科書・参考書

 テキスト:千葉恵美子ほか『Law Practice 民法Ⅱ【債権編】[第2版]』商事法務(2014)
 参考文献:田高=原田=秋山『リーガル・リサーチ&レポート』有斐閣(2015)
      内田 貴『民法I~IV』(東京大学出版会)
      中田 裕康『債権総論(第3版)』岩波書店(2013)

5.
準備学修の内容

 講義内容のうち理解が難しい点についてはそのままにせず、必ずその日のうちにノート整理を行って、復習して下さい。

6.
その他履修上の注意事項

 ①参加学生は、毎回のスケジュールに沿って、該当箇所を予習しておくことが求められます。
 ②特に担当に当たっている学生は、グループ毎に各自が担当部分をキチンと勉強し、報告等の責任を果たすことが求められます。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
 教員説明
【第2回】
 教員説明
【第3回】
 LPⅡ設問6 債務不履行:安全配慮義務違反
 -債務不履行とは?損害賠償の要件は?安全配慮義務とは?
【第4回】
 LPⅡ設問6 債務不履行:安全配慮義務違反
 -履行補助者とは?その安全配慮義務違反とは?
【第5回】
 LPⅡ設問6 債務不履行:安全配慮義務違反
 -不法行為責任(一般不法行為の要件、使用者責任の要件)
【第6回】
 LPⅡ設問5 債務不履行:説明義務違反
 -情報提供・説明義務
【第7回】
 LPⅡ設問5 債務不履行:説明義務違反
 -適合性原則(広義、狭義)、米国における変遷
【第8回】
 LPⅡ設問9 履行不能と損害賠償の範囲
 -履行不能における損害賠償、基準時に関する判例準則、視点
【第9回】
 LPⅡ設問9 履行不能と損害賠償の範囲
 -視点(続)~不法行為のケース
【第10回】
 LPⅡ設問24 金銭消費貸借
 -平成18年改正、過払金充当問題の背景、法理論、関連問題
【第11回】
 LPⅡ設問26 預金者の確定
 -従来の判例、占有と所有の結合、普通預金と定期預金、預金受入時の本人確認、信託法理による解決
【第12回】
 LPⅡ設問25 預金契約
 -不当利得返還請求権、振込の法的構造と誤振込みの処理、受取人に対する差押え・相殺の効力
【第13回】
 LPⅡ設問27 債権の準占有者に対する弁済
 -詐称代理人の場合、民478条の類推適用、生命保険契約上の契約者貸付け
【第14回】
 LPⅡ設問32 相殺契約
 -相殺契約の実際上の機能、相殺契約と第三者
【第15回】
 三者間相殺判決(最二小判平成28年7月8日金融法務事情2057号54~86頁、新春座談会「3市夜間相殺判決を読み解く」金融法務事情同号6頁)
 まとめ