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授業の概要(ねらい) |
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民法は私達の生活において重要な役割を果たす法律です。たとえば、子供の頃親にお年玉を取り上げられた、とか、独り暮らししたいのにさせてもらえない、という経験がある人はいないでしょうか。また、契約を結ぼうとして親のサインがないと契約ができないといわれた経験はないでしょうか。これらはすべて、民法に根拠となるルールがあります。トラブルが起きない場合や不満を持っていなかった場合には意識していなかった法律が、トラブルが起きると俄に存在感を増すことになります。 それでは、取引上当事者だけでは解決できないトラブルが発生した場合、民法はどのような解決方法を用意しているのでしょうか。本科目では、民法において「人」「物」「時」「事故」「家族」などがどのように取扱われているのかに焦点を当てて、われわれがどのようなルールのなかで生活しているのか学びましょう。
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授業の到達目標 |
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民法のルールについて、法の枠組みや基本的な知識、法的な考え方などを理解する。
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成績評価の方法および基準 |
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期末試験(教科書および配布資料、自筆ノート持込み可)による。出席そのものによる加点はおこなわない。
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教科書・参考書 |
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①川井健『はじめて学ぶ民法 所有、契約、不法行為、家族』(有斐閣、2011年)2,500円+税、全321頁 ②本年度版の小型六法(『ポケット六法』〔有斐閣〕または『デイリー六法』〔三省堂〕) 2,000円程度 その他、資料の配布も行ないます。
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準備学修の内容 |
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・試験は持込み披見可で実施するが、だからといってどこに何が書いてあるかくらいは把握していないと答案作成はできないので、そのつもりで必要な準備をすること。言うまでもないことですが、試験前にまとめてやるよりも定期的に予習復習をするほうが理解は深まります。 ・なお、「出席による加点を行わない」は、「出席しなくても単位がとれる」ことを意味しない。出席しない場合にはそれ相応の自習をすることを求める。
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その他履修上の注意事項 |
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・本科目の履修前に、または平行して、法学概論を履修することが望ましい。 ・第1回目の授業の際に注意事項を述べます。欠席した際の配布資料の取得方法や成績評価方法についても詳細を説明するので、2回目以降授業を欠席する可能性のある学生は必ず出席すること。 ・授業中の私語は周囲の学生にとって迷惑行為であり、担当教員も不快に感じるので厳禁である。また、担当教員は板書等の無断撮影も不快に感じることをお断りしておきます。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | ガイダンス・イントロダクション:授業の進め方(教科書や配布資料などについても紹介する)について概説する。また、本科目で取扱う民法という法律はどのような法律であるのかということや、民法典の全体像につき説明する。 | 【第2回】 | 民法における「人」①:民法において主人公となることができるのが「人」である。人とはどのようなものだろうか。第2回〜第4回までは人に関するルールを概観する(教科書 はじめに 第3章)。 | 【第3回】 | 民法における「人」② 自然人に関する様々な制度 | 【第4回】 | 民法における「人」③ 制限行為能力者制度 | 【第5回】 | 民法における「物」① 民法の世界において、人が有する権利の対象となるのが「物」である。第5回〜第6回までは物に関するルールや物に関する権利につき概観する。 | 【第6回】 | 民法における「物」:とくに所有権について学びつつ(教科書第1部第1章)、物を利用するための権利につき概観する(教科書第1部全体の概観) | 【第7回】 | 民法による事故の解決①:社会でたくさんの人々が生活し、活動していると事故が発生し他人に損害を与えてしまうことがある。このような場合、どのような解決方法を民法は用意するのだろうか。第7回〜第11回までは不法行為制度について学ぶ(教科書第3部)。 | 【第8回】 | 民法よる事故の解決② | 【第9回】 | 民法よる事故の解決③ | 【第10回】 | 民法による事故の解決④ | 【第11回】 | 民法による事故の解決⑤ | 【第12回】 | 民法における「時」:民法において時に関するルールとしてどのようなものが規定されているのか確認する。 | 【第13回】 | 民法における「家族」①:民法は家族に関してもルールを設けているが、それらのルールにつき概観する(教科書第4部)。 | 【第14回】 | 民法における「家族」② | 【第15回】 | まとめと試験:全体をふりかえり、再度確認する。 ※授業計画はあくまで予定であり、進捗状況、受講者の理解の程度などに応じて変更することがあります。 |
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