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授業の概要(ねらい) |
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環境法は、さまざまな環境問題を法によって解決し、安心安全な環境を作り上げることを目的にしています。皆さんがどのような生活をしても、どのような仕事に就いても、必ず環境法が現れてくるでしょう。その意味で環境法はまさに「実学」の法律です。この授業では、さまざまな環境法の学習を通して、「環境法的視点」を身に付けてもらいます。法学の基礎知識がなくてもわかるように話をしますので、法学部の学生だけでなく、法学部以外の学生にとっても得るところが多いのではないかと思います。 講義では、日常生活の中で、また仕事の中で、環境法がどのように関わってくるかを具体的に学びます。特に、私が弁護士の立場でこれまでさまざまな環境問題に取り組んできた経験についてもお話します。昨年好評だった「環境法○×クイズ」や「ジブリと環境法」の話もします。環境についてのゲスト・スピーカーを呼んで、現場の話を聞く機会も作ります。これまでには、自治体で環境行政を担当している職員、環境犯罪の取り締まりをしている警察官、有機農業をしている農家、フェアトレードをしているアパレル会社社長などに話をしてもらっています。また、「実学」として、私が弁護士として、仕事を通して毎日さまざまな法律問題と関わっていますので、その中から、就活や皆さんが社会に出てから役に立つ法律のこともお話したいと思います。昨年度は、個人情報保護法や不正競争防止法について触れました。 授業では、次の授業のテーマについて、小レポート(A4で1枚)を書いてきてもらい、次の授業の時にその内容を何人かに発表してもらいます。また、毎回、感想ノートにその日の授業の感想や質問を書いてもらい、授業の後に提出してもらいます。皆さんの質問には必ず回答します。
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授業の到達目標 |
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さまざまな場面で現れる環境問題について、環境法の知識と理解によって、環境問題の解決方法を自ら考えられるようにしてもらいます。
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成績評価の方法および基準 |
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試験はすべて講義内容(レジュメと資料)から出題します。配付したレジュメと資料を持ち込み可とします。成績は、試験(70%)と、出席状況・小レポートなどの講義受講状況(30%)で評価します。
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教科書・参考書 |
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決まったテキストは使いません。毎回、レジュメと資料を配り、それをもとにして講義します。参考文献としては、交告尚史ほか『環境法入門』(第3版)、畠山武道『考えながら学ぶ環境法』、北村喜宣『プレップ環境法』をお勧めします。
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準備学修の内容 |
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小レポートは、できるだけ文献などで調べて作成してください。
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その他履修上の注意事項 |
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環境法は、常に身の回りにあります。皆さんがどのような生活をしても、どのような仕事に就いても、「環境法的視点」を忘れないようにしてください。
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各回の授業内容 |
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【第1回】 | オリエンテーション―「環境法」とは何か | 【第2回】 | 野生生物をどう守るか―生物多様性基本法など | 【第3回】 | 森や自然をどう守るか―自然公園法や自然環境保全法など | 【第4回】 | 美しい景観をどう守るか―景観法・エコツーリズム法など | 【第5回】 | 騒音・振動・地盤沈下・悪臭をどう防ぐか―騒音規制法など | 【第6回】 | 水、土、空気を汚さないために―大気汚染防止法など | 【第7回】 | 使い捨て社会はこのままでいいのか―循環基本法など | 【第8回】 | ごみをどうするか―廃棄物処理法など | 【第9回】 | 化学物質・有害物質をどう規制するか―化審法など | 【第10回】 | 食べ物の安全をめざして―食品安全基本法など | 【第11回】 | 日本のエネルギー問題―原子力と再生可能エネルギー | 【第12回】 | 環境犯罪を防ぐために―自治体行政と警察による取り締まり | 【第13回】 | 地球温暖化をめぐって―気候変動枠組み条約など | 【第14回】 | 環境を守るための訴訟―環境訴訟の仕組みと実際 | 【第15回】 | まとめと授業内試験 |
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