【第1回】 |
日本学芸史の前提として、ギリシァ以来の古典学、イスラム・ビザンツに於るその継承から、12世紀ルネサンスを経て、西欧の大学成立までを概観する。 |
【第2回】 |
天武朝の大学寮設置、および遣唐使帰朝の吉備真備の大学助就任等、わが国古代の学制の発祥を考察する。 |
【第3回】 |
律令国家は中央の式部省の管下に大学を置き、紀伝・明経・明法・算の4道ごとに博士と学生を収容した。地方には国学を置いて、地方豪族の子弟を教育した。 |
【第4回】 |
古代のどの国にも先ず発生する天文と医学は、日本では大学外で教授され、宮内省典薬寮で医学が、中務省陰陽寮で天文・暦・陰陽の3道が行なわれた。特にト占との関連で陰陽道が、天文密奏制との係わりで天文が重要である。 |
【第5回】 |
大学衰退の理由と背景。あわせて弘文院・勧学院等の大学別曹にも言及する。 |
【第6回】 |
大学衰退後、その役割を担ったのは、菅原家の菅家廊下の如き各家に発生した家塾である。 |
【第7回】 |
家寮と家学の成立。文章道......菅原・大江。明経道......中原・清原。明法道......坂上・中原。算道......小槻・三善。 |
【第8回】 |
太政官官務家と壬生官庫(官務文庫)の成立。日本に於るアーカイブスの発祥といえる。 |
【第9回】 |
鎌倉以降、武家の法曹官僚となった右筆方・奉行人らの基盤について。 |
【第10回】 |
中世の教育はどこでどう行なわれたか。僧侶の果した役割と往来物や九九の算用について。 |
【第11回】 |
鎌倉・京都に於る五山の成立と、宋学・新註の講義について。 |
【第12回】 |
一条家の桃華坊文庫、嵯峨の船橋文庫等、公家の文庫について。応仁の乱の結果、文庫の廃滅が起った。 |
【第13回】 |
金沢文庫と足利学校。 |
【第14回】 |
公家・僧侶の地方流寓と文化の地方伝播。 |
【第15回】 |
堺版・嵯峨版等、中世の印刷事業について。 |