1. |
授業の概要(ねらい) |
|
「国語」は、小学校教員を目指す人たちであればだれでも、教育実習で、また現職教員になった際に必ず行う教科である。指導者が国語科の学習内容に興味をもってとらえようとしない限り、教材研究は成立しないし、子どもたちが国語の学習を好きになってくれることはないといっても過言ではない。 授業は講義や解説のみでなく、小学校の言語活動の各領域における国語教材を提示し、実際に音読したり、問いを考えたり、「書く」活動を行うなどの授業設計の基礎を学ぶ。受講生は、場面によっては小学生の当時を思い出すことも学びの一つとなる。そのような意識が教材研究をする際には必要である。国語学習の実際を通して授業とは何かについも考えていけるようにしたい。 平成20年度版の「小学校学習指導要領(国語)」では、「言語活動の充実」が重点項目として挙げられている。加えて、「伝統的な言語文化」として小学校における古典の学習も新たに導入されるようになってきている。まずは、大学での授業を通して小学校の国語教科書や教材のいくつかに触れ、国語科の内容を幅広く理解していくようにしたい。
|
2. |
授業の到達目標 |
|
平成20年度版「小学校学習指導要領(国語)」の全体像やその成立過程の概要を理解するとともに、国語科の教材を通じて言葉に関する児童の発達特性について理解する。 ①国語科の各領域の教材を読み、それに基づく言語活動について理解する。 ②授業ノートを作成し、資料の保存および、授業内容の復習を行う。 ③新たに加わった、「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」を通してことばに対する基礎的な理解や興味・関心を深める。
|
3. |
成績評価の方法および基準 |
|
・授業ノート(ポートフォリオ)(30%) ・毎回の提出物の内容(20%) ・小テスト(3回)(40%) ・最終授業の小レポート(10%) などで総合的に評価する。上記のすべての提出を必要とする。
|
4. |
教科書・参考書 |
|
『小学校学習指導要領解説 国語編』文部科学省(授業で使用するので購入する。) 中原國明・大熊徹 他編著『国語科授業用語の手引き』教育出版(授業で使用するので購入する。) 久米公編著『漢字指導の手引き 第七版』教育出版(参考資料であるが購入することを勧める。) ※その他、参考資料についてはプリント資料にて授業内で紹介する。
|
5. |
準備学修の内容 |
|
・授業ノート(ポートフォリオ)を作成する。市販のA4サイズのノートを購入し、毎回の授業で使用したレジュメなどを活用したノートを作成する。その際、毎時間の後の感想、新たに調べた内容などを書き添える。(復習) ・次回取り扱う学習指導要領の各項目に目を通したり、次回の内容について調べ学習を行う。(予習)など
|
6. |
その他履修上の注意事項 |
|
・小学校教員免許取得希望者の受講とする。授業には必ず出席し、積極的に取り組むこと。 ・授業のノートを作成する。ノートには、授業の感想や、新たに調べた内容を加筆する。ノートはいずれ小学校教員になったときには児童に指導するので、そのためのモデルととらえ、丁寧なノート作成を行うとさらによい。 ・毎回の授業を通して、教師という仕事に対する自己の適性を見極めていくようにし、課題があれば改善していけるようにする。 ・2年次の「教科指導法(国語)」、3年次の「教育実習」につながる内容である。将来授業を行うものとしての基礎的な知識・技能を養う内容となるため、学びの過程を大切にしていけるようにしたい。
|
7. |
各回の授業内容 |
|
【第1回】 | オリエンテーション(小学校における国語科教育とその問題) | 【第2回】 | 国語科の目標と「言語活動」 | 【第3回】 | 「話すこと・聞くこと」の学習内容と教材 | 【第4回】 | 「書くこと」の学習内容と教材 | 【第5回】 | 「読むこと」の学習内容と教材①(説明文) ※テスト① | 【第6回】 | 「読むこと」の教材研究 | 【第7回】 | 「読むこと」の学習内容と教材②(物語文) | 【第8回】 | 読書指導の実際(図書館教育と読書) | 【第9回】 | 「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の学習内容と教材 ※テスト② | 【第10回】 | 「書写」の学習内容と教材 | 【第11回】 | 「詩」の教材(読むことと書くこと) | 【第12回】 | 平成20年度版 小学校学習指導要領国語編 | 【第13回】 | 国語の教科書と教育課程の変遷 ※テスト③ | 【第14回】 | 国語科の単元づくり、他教科との関連等 ※第14回までのノートの提出 | 【第15回】 | これからの国語教育(学力テストををもとに)※小レポートの提出 |
|