Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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教育経営論A(幼・小) 三石 初雄
選択必修  2単位
【教育】 17-1-1331-3779-14A

1. 授業の概要(ねらい)

 現代社会の大幅な変化を一部反映しながら、学校教育も大きな変化を見せている。とりわけ1990年代以降の学校教育の変化は、日本に限らず、東アジア、西欧においても、同じ状況といえる。
 本授業では、海外にも視野をおきながら現代の学校教育改革の現状をとらえ、グローバルな視点から日本の学校教育の制度と運営・経営について、そしてその中にいる教師の仕事と生き方を考えていく。

2.
授業の到達目標

 ①現代日本の学校教育の改革状況を理解する。
 ②改革動向の一定の傾向を理解し、その中に現れている課題・問題点を把握し、その論点を整理することが出来る。
 ③上記のことを参考に、新しい学校づくりに関していくつかの観点から考察を加えることが出来る。
 ④初等教育段階(特に)小学校教師の生活とライフステージをイメージすることが出来る。

3.
成績評価の方法および基準

 平常点60%(毎回のリアクションペーパーと授業で示される課題での記述内容)、最終回でのまとめ(課題の考察・論述)等40%で総合的に評価します。
 レポートはメール(メール・アドレス=hatsuo@main.teikyo-u.ac.jp)での提出を原則とする。メール提出後、3日以内に受領のメールがない場合には授業担当者の研究室(ソラティオ・スクウェア14階研S144)に申し出ること。申し出がない場合、次週に確認できない場合は、不提出とみなします。

4.
教科書・参考書

 テキストは用いません。参考文献は、授業の中で随時紹介します。

5.
準備学修の内容

 ①講義内で紹介された参考文献を積極的に入手して読んでください。
 ②帝京大学図書館(MELIC)Webサイトのトップページにある「先生の本棚」、教育学部・教職大学院教員推薦図書リストから先生方が勧める本を積極的に読み、教育の幅広い分野について知識や考えを深めていってください。

6.
その他履修上の注意事項

 ・授業のノートを、一冊、用意し、ポートフォリオ的に創ってほしい。
 ・授業で配布する資料を張ったり、そのプリントへの書き込みをし、「自分流」のノートを創ってほしい。
 ・授業時の疑問等をリアクションペーパーに書いてほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
 ・「学校」という言葉から何を連想するか?
 ―「学校」と「塾」との機能・役割の違い―
 ・今日の学校教育の基本的な機能と形態(近代学校)
 ―「なぜ、学校へ行くのか」(大田堯)を読みながら―
【第2回】
 日本の「近代学校」の形成過程を探る(おもに明治初期)
 ・「学制」にみる学校制度と学校教育内容の特徴
 ―近代国家形成と「西欧学校」教育システムの移入―
 ・明治初期の教育課程と教育内容
【第3回】
 日本の「近代学校」の変化過程を探る1(おもに大正と昭和初期)
 ・学校教育の「普及」と学級・学校制度の変化(各種学校の発足)
 ・「子どもの発見」と「大正新教育」
【第4回】
 日本の「近代学校」の変化過程を探る2(おもに戦前期)
 ・「大正新教育」と学校教育制度の変化
 ・生活・実物に配慮した学校教育の導入と浸透
 *小テスト(第1-4回目授業内容)
【第5回】
 戦後の新制学校教育制度と学校経営
 ・戦後の新制学校制度と教育課程
 ・教育委員会制度の発足と地方分権
 ・生活単元学習・問題解決学習の展開と学級・学校制度
【第6回】
 科学・技術の革新と学校教育制度の変化(親たちが通った学校制度)
 ・後期中等教育制度の拡充(「教育」の多様化)
 ・科学・技術教育の拡充と「教育の現代化」
【第7回】
 教育課程の変遷と学校制度の問い直し
 ・「学校不登校」現象の顕在化と「教育の現代化」政策
 ・学校教育政策の弾力化
【第8回】
 「ゆとり」教育の開始と教育活動・学校運営の変化
 ・「新しい学力」観と生活科
 ・「総合的な学習の時間」と教育形態の変化
【第9回】
 学習指導要領の変化サイクル
 ・戦後日本の学校教育の変化と学習指導要領
 *ミニレポート(第5-8回目授業内容に関わる事柄についての500字程度)
【第10回】
 近年の職階制度の変化と教師文化
 ・教師の仕事と学級経営
 ・子ども・学習主体の参加と学級・学校づくり
【第11回】
 世界から見た日本の教師の仕事
 ・TALIS調査結果から見た日本教師・学校制度
【第12回】
 東アジア地域の学校教育制度の改革動向
 ・韓国と中国の事例から
【第13回】
 学校教育制度の問い直し
 ・「学力格差」と「学校効果研究」
 ・「文化資本」と教育効果
【第14回】
 「近代学校」の課題を考える
 ・「教える」学校教育と「ともに学ぶ」公教育
 *レポート「私たちの時代の教育課程の可能性と課題を考える」
【第15回】
 教師のしごとをもう一度見つめる
 -生活科・総合的な学習の授業創りを例にして-