Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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教育実践リフレクション III 村上 みな子
必修  2単位
【教職大学院】 17-1-1331-4420-20A

1. 授業の概要(ねらい)

 授業は、少人数グループ編成のもと、複数の教員によるティーム・ティーチングの形態で行う。
 コア・リフレクション、プロセスレコード、ALACTモデル、授業記録等のリフレクションの手法を取り上げ、その意義や手法について理解を深めるとともに、教育実習の進行に合わせて実際のリフレクションに取り組む。
 リフレクションを通じて、児童生徒の学びの様態や学習成果と自己の指導行為との関係を考えたり、分析したりして、児童生徒理解と、指導・評価の在り方についての理解を深め、実践力向上に資するようにする。
 また、学習の成果が、教育実習に反映できるように、実践記録の取り方や実習ノートとの関連を図りながら進めていく。

2.
授業の到達目標

 <A類学生>
  ・リフレクションの意義・手法を理解し、それを生かして自己の教育実習における実践場面をリフレクションし、実践力を向上させていくことができる。
 <B類学生>
  ・リフレクションの意義・手法を理解し、これまでの自己の実践をリフレクションし、実践力や課題探求力を向上させるとともに、A類学生のリフレクションについて指導助言することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 リフレクションの実際(20%)、レポート・まとめ(60%)、グループワーク等(20%)を参考にして総合的に評価する。

4.
教科書・参考書

 テキスト
  特定のテキストは使用しない。
 参考書
  ・F・コルトハーヘン『教師教育学』(学文社 2010)
  ・臨床教育人間学会『リフレクション』(東信堂 2007)
  ・日本教育方法学会編『日本の授業研究』上・下巻(学文社 2009)
 など、授業で必要に応じて紹介する。

5.
準備学修の内容

 各自の教育実践、教育実習に対するリフレクションの記録を実習ノート等に、継続的に記録すること。

6.
その他履修上の注意事項

 リフレクションの意義や手法を、理論と実践から理解し、省察的な教師を目指すことを期待する。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 求められる教師像と教師の役割
 ①教師の成長とリフレクションの意義(講義)
 ②グループ討議
 ・自己の学びの原風景(小学校から高校までの経験)を振り返り、自分はどのような教師像を理想としているか明らかにしつつ、教師の役割についてディスカッションする。
 ・A類学生は、自分の学生時代の経験を中心に、どのような教師を目指したいかを考察する。
 ・B類学生は、自分の教師としての経験にも触れながら、理想の教師像をどのようにイメージし、どのように教育実践に取り組んできたかを振り返り、認識を深める。
【第2回】
 教師としての自己、教師を目指す自己を見つめる
 ①コア・ア・リフレクション(講義・演習)
 ・コア・リフレクションを通じて、自己の強みに焦点を当てる。
 ②グループ討議(実習に対する目標を立てる)
【第3回】
 子どもの学びとリフレクション
 ①子どもが学ぶとはどういうことか。また子どもの学びを支援するとはどういうことか。教育実習等における具体的場面を取り上げ、リフレクションする(講義・演習)。
 ②グループ討議(各自の経験に基づき、子どもが学ぶことの意味を考える)
【第4回】
 教育環境とリフレクション
 ①子どもたち一人一人の成長にとって、教育環境(学級集団、教室環境等)とはどういう意味を持つのか。実習における具体的な場面を取り上げ、リフレクションする(講義・演習)。
 ②グループ討議(実習の振り返り)
【第5回】
 教師の言葉・ふるまいとリフレクション
 ①子どもの成長や学習にとって、教師の言葉(発問を含む)やふるまいは重要である。子どもの自己肯定感と教師の言葉・ふるまいとの関係を考える(講義・演習)。
 ②グループ討議(実習の振り返り)
【第6回】
 教育実習リフレクション
 ①これまでの教育実習について実習ノートをもとにリフレクションし、自己の課題や探求すべき課題を明らかにする。特に、B類学生及び課題研究を行う学生は、究明したい課題やその方法を明らかにする(講義・演習)。
 ②グループ討議(実習の振り返り)
【第7回】
 リフレクションの方法を学ぶⅠ
 ①プロセスレコードによるリフレクションを理解し、その手法を身につける(講義・演習)。
 ②グループ討議(実習の振り返り)
【第8回】
 リフレクションの実際①(グループごとに実施)
 ・プロセスレコードを活用したリフレクションを行い、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
 ・B類学生は、メンターとしての役割も果たせるよう、A類学生のリフレクションについて指導助言を行い、その能力を高める。
【第9回】
 リフレクションの方法を学ぶⅡ
 ①ALACTモデルによるリフレクションを理解し、その方法を身につける(講義・演習)。
 ②グループ討議(実習の振り返り)
【第10回】
 リフレクションの実際②(グループごとに実施)
 ・ALACTモデルを活用したリフレクションを行い、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
【第11回】
 リフレクションの実際③(グループごとに実施)
 ・ALACTモデルを活用したリフレクションを行い、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
【第12回】
 リフレクションの方法を学ぶⅢ
 ①授業記録の作成・分析及び実習ノートを活用した日常的なリフレクションを理解し、その手法を身につける(講義・演習)。
 B類学生及び課題研究を行う学生は、自己の探求課題に基づく記録の分析等に取り組む。
 ②グループ討議(実習の振り返り)
【第13回】
 リフレクションの実際④(グループごとに実施)
 ・A類学生は、実習で行った授業実践の記録、実習ノートを活用したリフレクションを行い、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
 ・B類学生及び課題研究を行う学生は、自己の探求課題に基づく記録の分析等に取り組む。
【第14回】
 リフレクションの実際⑤(グループごとに実施)
 ・A類学生は、実習で行った授業実践の記録、実習ノートを活用したリフレクションを行い、自己の課題を明らかにし、授業改善を図る。
 ・B類学生及び課題研究を行う学生は、自己の探求課題に基づく記録の分析等に取り組む。
【第15回】
 まとめ
 ・リフレクションを通じて得られた自己の成果・課題及びリフレクションの効果的な手法についてまとめ、報告する。