Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
幼児教育A 杉本 真理子
選択必修  2単位
【教育】 17-1-1333-0295-17A

1. 授業の概要(ねらい)

 教育学部に入学された皆さんは、おそらく「子ども」に興味を持っていることでしょう。しかし、「子ども」とはいったいどういうものでしょうか。本科目では、まず、皆さん自身の内なる「子どもイメージ」について確認し、新たに「子ども」について考えた上で、子どもの発達と保育・教育について学んでいきます。同時に、保育に欠かせない「絵本」についても学びます。
 教育学部の1年次開講専門科目として、子どもをどう見るか、幼児の教育とはどういうことかを考え、これから先、教育について学んでいく導入になることを願っています。また、上級学年で履修する方にとっては、自分の子ども観や教育観を振り返ったり、教育学の他領域と幼児教育の関連を検討することができるようにと考えています。

2.
授業の到達目標

 ①自分の「子ども」観をふり返るとともに、様々な「子ども観」があることを知る。
 ②乳児期から就学までの子どもの保育所・幼稚園・認定こども園等での発達の様相、それを支える保育者の働きと仲間の存在、子どもを取り巻く環境について知る。
 ③映像や保育記録から保育のねらいと具体的なその手立てについて理解できる。
 ④保育の歴史を知り、現在のわが国の保育の現状と課題をとらえることができる。

3.
成績評価の方法および基準

 授業への参加と授業中の提出物(毎回の感想と授業内小レポート・作品など40%)と期末のテスト(60%)を合わせて総合的に評価します。

4.
教科書・参考書

 テキスト:『幼稚園教育要領 平成20年3月告示』文部科学省、『保育所保育指針 平成20年告示』フレーベル館
 参考文献:『幼保連携型認定こども園 教育・保育要領 平成26年告示』フレーベル館 森上史朗 編『保育原理』ミネルヴァ書房、守永英子他『保育の中の小さなこと大切なこと』フレーベル館
 上記以外はその都度紹介していきます。

5.
準備学修の内容

 ①日常生活の中で子どもに関心を向け、子どもを眺めて下さい。
 ②毎回の配布プリントをファイルし、授業内容を振り返り、ノートにまとめていって下さい。
 ③宿題が数回出ますが、しっかりと考え、丁寧に仕上げて下さい。

6.
その他履修上の注意事項

 単に講義を聞くだけの受身の授業にはしたくないと考えています。受講生1人1人が、提示された資料や映像などを敏感に感じとり、自分の内で考えをふくらませたり深めたり、主体的に取り組んで下さい。また、グループで話し合ったり、全体で意見の交換をします。積極的に参加し、他者の意見に触れ、自分の見方を広げていって下さい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ①導入:「子ども」とは:20答法により各自の子どもイメージを探る。乳幼児に関する予備知識の確認。②受講上の注意
【第2回】
 子どもの発達の姿(1)乳児期:保育園の子どもの様子の映像を視聴し、発達の様子を具体的に知る。さらに、子どもに何が育って欲しいか、またそれを支える保育者の働きかけを考える。
【第3回】
 子どもの発達の姿(2)幼児期①:保育園の子どもの様子の映像を視聴し、発達の様子を具体的に知る。さらに、子どもに何が育って欲しいか、またそれを支える保育者の働きかけを考える。
【第4回】
 子どもの発達の姿(3)幼児期②:保育園の子どもの様子の映像を視聴し、発達の様子を具体的に知る。さらに、子どもに何が育って欲しいか、またそれを支える保育者の働きかけを考える。
【第5回】
 様々な保育・教育の実態を知る(1):幼稚園生活の映像を視聴し、遊びの中での子どもの成長を具体的に学ぶ。幼稚園教育要領の「遊びを通しての指導」について理解する
【第6回】
 様々な保育・教育の実態を知る(2):幼稚園生活の映像を視聴し、具体的な幼稚園の一日の流れ、「環境を通した教育」について学ぶ。幼稚園教育要領の理念を確認する。
【第7回】
 様々な保育・教育の実態を知る(3):幼稚園生活の映像を視聴し、幼稚園教育要領に示された5領域のねらいが実際にどのように実現されているのかを知る。
【第8回】
 様々な保育・教育の実態を知る(4):保育園生活の映像を視聴し、1年を通しての保育の様子を具体的に学ぶ。保育所保育指針を読む。
【第9回】
 様々な保育・教育の実態を知る(5):対照的な2つの保育園の映像を視聴し、保育方法の違いを学ぶ前半。
【第10回】
 様々な保育・教育の実態を知る(6):対照的な2つの保育園の映像を視聴し、保育方法の違いを学ぶ後半。
【第11回】
 保育の歴史を知る(1):①西洋の子ども概念の発生と変遷、②西欧における集団保育施設の誕生
【第12回】
 保育の歴史を知る(2):フレーベルの幼児教育思想と幼稚園
【第13回】
 保育の歴史を知る(3):イギリス・アメリカにおける幼稚園の発展と改革
【第14回】
 保育の歴史を知る(4):①日本の子ども観の特徴、②我が国における集団保育施設の誕生と発展 ②我が国の保育の現状と課題
【第15回】
 まとめ:①学んだことを確認する。 ②再び、「子どもは・・・」20答法により各自の子どもイメージの変化を探る。
 上記以外に、できるだけ多く、保育の教材としての優れた絵本を味わっていきます。
 注:受講生の状態や進度によって、予定を変更することがあります。