Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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教育方法論B 福島 健介
選択必修  2単位
【教育】 17-1-1333-1915-17A

1. 授業の概要(ねらい)

 「分かる授業」をしたいという思いは、ベテランから新卒まで教師共通の気持ちです。教育方法とは、「分かる授業」の基礎となる理論と方法を学ぶためのものです。この授業では、
 1.「学ぶ」とは「教える」とは「分かる」とは等々授業の基礎となる理論について、学問としての教育学やその関連分野の成果から代表的な教授法や学習法を学びます。それらの理論が現実の授業の中でどのように適用・応用できるのか考えます。
 2.授業案(学習指導案)の理論的な背景と、その適用、書き方を学びます。多くの学生が「見よう見まね」で授業案を書きますが、何故そのように書くことが求められるのか、についてはほとんど理解されていません。本授業では、その理論的な背景を学び、「良い授業案」を見る目を養います。
 3.今日、学校教育においては、高度情報社会に生きる児童に必要な資質(情報活用能力)を養うこと、また、ICT等の新しい情報手段の活用により教育効果を高める必要が指摘されています。ICT機器が学校現場においてどのように活用されているかを事例を通して学びます。

2.
授業の到達目標

 1.授業を支える学習理論、教授理論について理解し、現実の授業への適用・応用について考えることが出来る。
 2.授業案作成の意味と方法を知り、それを用いて必要十分な授業案を書くことが出来る、また、他の授業案について検討することができる。
 3.情報機器の取扱いと学校現場での用いられ方について知り、自身でも活用することが出来る。

3.
成績評価の方法および基準

 1.授業案の作成 40%
 2.期末テスト  50%
 3.その他提出物 10%
 以上3点を総合的に評価する。

4.
教科書・参考書

 特になし。毎回の授業でレジュメを配布します。

5.
準備学修の内容

 自身がこれまで書いた学習指導案や他の人の指導案をなるべくたくさん集めておいて下さい。また、授業外の活動として、最低一度は小学校現場で授業参観をしてもらいたいと考えます。授業として統一的に実施することは時間的に不可能ですので、自主的に見学に出掛けて下さい(参観をさせてくれる学校は紹介します)。
 また、コンピュータの教育現場での使用、というテーマは基本的な操作(文字入力、ファイルの保存など)は理解しているという前提で授業を行いますので、最低限そこまでのスキルは自学自習をして下さい。

6.
その他履修上の注意事項

 認知理論、学習理論は「分かる授業」の基盤です。また授業分析の手法や考え方を学ぶことは、自分の授業を振り替えるためにも必要です。座学が中心となりますが、積極的な姿勢で授業に参加して下さい。Web classおよびLMSにアクセスできるよう、自分のIDとパスワードを確認しておくこと。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
 本授業の獲得目標と予定、評価、準備するもの、連絡方法等について
【第2回】
 授業を組み立てるということ
 システム的な授業設計と開発理論
【第3回】
 学習目標とは何か
 学習目標明確化の3要素と事前・事後テスト 前提テスト
【第4回】
 テストを作成する
 学習目標の性質に適したテストの形態とは
【第5回】
 人の学びについての研究と評価論
 新行動主義:代理強化とティーチングマシン
 認知主義:先行オーガナイザとスキーマ理論
 構成主義:正統的周辺参加と足場づくり
【第6回】
 ガニエの「学習課題モデル」
【第7回】
 現代的な授業案のスタイルと学習目標1
 目標に準拠した授業の設計・実施・評価の技法
【第8回】
 現代的な授業案のスタイルと学習目標2
 目標に準拠した授業の設計・実施・評価の技法
【第9回】
 授業案を作成するための流れと本時案
 ガニエの9教授事象とケラーのARCS理論を元に
【第10回】
 授業の観察と記録
 授業案と授業を見比べる手法、授業分析の手法について
【第11回】
 情報機器活用の実際1
 事例紹介
【第12回】
 情報機器活用の実際2
 CAIとCSCL
【第13回】
 情報機器活用の実際3
 実技研修(電子黒板とデジタル教科書を利用して)
【第14回】
 情報機器活用の実際4
 実技研修(ICTを活用した授業設計)
【第15回】
 まとめと期末試験