Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

ひとつ前のページへ戻る 教授名で検索

 
発達心理学(幼・小) 山村 豊
選択  2単位
【教育】 17-1-1333-3085-20A

1. 授業の概要(ねらい)

 教育を行うためには、その対象である子どもについて、どのような発達の過程をたどっていくのか、また、学習はどのような過程で進むのかについて学ぶことが必要である。また、特別な支援を必要とする子ども達の発達についての理解と対応の仕方を知ることも必要である。この授業では、心理学の代表的理論から見た発達観(子ども観・人間観でもあります)を紹介しつつ、乳児から成人に至る発達の様相と、学習過程を説明する。さらに、意欲的に学ぶということについて、心理学で明らかにされてきた理論を紹介する。

2.
授業の到達目標

 ・生涯にわたる発達の過程、特に幼児・児童の発達について理解する。
 ・学習の過程に関する一般的な理解に基づいて、学校での実際の「学び」とそれを支える「教える」をとらえる視点が持てる。
 ・教師・保育者として、子どもが意欲的に学ぶために、発達段階に応じた工夫を考えられる。

3.
成績評価の方法および基準

 授業内での課題と期末試験との総合評価。

4.
教科書・参考書

 テキスト:山村豊・青木智子(編)『学びのための心理学』(北樹出版)

5.
準備学修の内容

 授業前に、テキストの講義内容が記載さている箇所を読んでおく。
 授業後、ノートとプリントをまとめ、授業内で分からなかった点を後日質問すること。

6.
その他履修上の注意事項

 本科目は、幼稚園・小学校の教員免許を取得するための必修科目である。その点からも、教師を目指す受講生は、それなりの覚悟をもって臨んでいただきたい。また、教員免許取得という観点だけではなく、子どもについて考える心理学的視座を形成するという観点から積極的に取り組んでほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス:発達から生涯発達へ
【第2回】
 発達心理学とはどのような学問か①:発達心理学の研究方法
【第3回】
 発達心理学とはどのような学問か②:遺伝と環境(生得説と経験説/輻輳説と相互作用説)
【第4回】
 発達の生物学的基盤①:ヒトの進化の特異性/走性・反射・本能的行動・学習・推論
【第5回】
 発達の生物学的基盤②:二次的就巣性と子宮外胎児期
【第6回】
 発達と育児システム①:初期発達の重要性と野生児研究
【第7回】
 発達と育児システム②:マターナル・ディプリベーションとアタッチメントの形成
【第8回】
 知性の発達①:知能の定義とピアジェの均衡化理論
【第9回】
 知性の発達②:乳幼児期の知能の発達(反射、ことば、あそび)
【第10回】
 知性の発達③:児童期と青年期の知能の発達(保存概念、形式論理的思考)
【第11回】
 知性の発達④:道徳性の発達
【第12回】
 パーソナリティの発達①:パーソナリティの発達と養育環境
【第13回】
 パーソナリティの発達②:フロイトの汎性論的発達理論
【第14回】
 パーソナリティの発達③:エリクソンの漸進的発達理論
【第15回】
 まとめと試験