Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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在宅保育論 松田 千恵子
選択  2単位
【教育】 17-1-1333-4231-03A

1. 授業の概要(ねらい)

 わが国の保育サービスは、「家庭外での保育」、特に施設型の集団保育が圧倒的な割合を占めています。また、近隣の個人の家庭などにおける「家庭的保育」も徐々に普及してきています。さらに、子ども自身の生活の基盤である家庭に保育者が訪問して行われる「家庭訪問保育」という形の保育サービスがあります。
 「家庭訪問保育」は集団保育とは異なり、子育て家庭への個別的な保育ニーズに対応する柔軟で、きめ細やかな機能を持つことから、次第に重視されるようになりました。
 2015年4月から施行された「子ども・子育て支援法」によって、「地域型子育て給付」の1つとして「居宅訪問型保育」が位置付けられ、また「地域子ども・子育て支援事業」の一環として、「訪問型」の「一時預かり事業、延長保育事業、病児保育事業」が展開されることになりました。2016年には、企業主導型のベビーシッター利用者支援事業が創設されています。
 「家庭訪問保育」は、施設で行われる保育とは異なった面も多く、それを行ううえで、独自の知識や技術が必要となります。本講義では、「家庭訪問保育」で必要となる知識や技術を体系的に学んでいきます。また、新制度に対応する「居宅訪問型保育基礎研修」の内容も学びます。
 なお、本講義を履修し、保育士の資格を取得して卒業する者で「認定ベビーシッター資格」を希望する者に、「認定ベビーシッター資格」が付与されます。

2.
授業の到達目標

 ・「家庭訪問保育」の特徴を知り、そこで必要とされる知識を身につける。
 ・新しい制度の「居宅訪問型保育」について理解する。
 ・「家庭訪問保育」に対して自分なりの興味、関心を持つ。

3.
成績評価の方法および基準

 〇15回中11回分を山口美和が担当 (70%)
  授業の参加状況・授業時の提出物 25%、レポート 10%、テスト 35%
 〇第9回~第12回の4回分を松田千恵子先生が担当 (30%)
  授業参加及び授業内提出物 10%、課題レポート 10%、テスト 10%

4.
教科書・参考書

 テキスト:『家庭訪問保育の理論と実際 居宅訪問型保育基礎研修テキスト・一般型家庭訪問保育学習テキスト』公益社団法人 全国保育サービス協会:監修(中央法規)

5.
準備学修の内容

 ・教科書の授業の範囲を読んでおくこと。
 ・毎回の授業の復習をすること。
 ・レポートを作成すること。

6.
その他履修上の注意事項

 子どもが育つ時に、大人がどのように子どもと関わることができるのか。普段から様々な保育論にふれながら、子どもとの関わりについて、考えを深めていって下さい。
 また、さまざまな保育サービスが求められる社会的状況や保護者が抱えている悩み、新しい保育政策にも関心を持って下さい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
 家庭訪問保育とは
【第2回】
 保育者として身につけたい保育マインド
 居宅訪問保育の概要
【第3回】
 乳幼児の生活と遊び
 実践演習~保育技術(遊び)
【第4回】
 乳幼児の発達と心理
【第5回】
 居宅訪問型保育の保育内容
 居宅訪問型保育における環境整備
【第6回】
 居宅訪問型保育の運営   安全の確保とリスクマネジメント
 居宅訪問型保育の職業倫理と配慮事項
【第7回】
 居宅訪問型保育における保護者への対応
【第8回】
 子ども虐待
【第9回】
 乳幼児の食事と栄養
【第10回】
 小児保健Ⅰ・Ⅱ 乳幼児の健康観察のポイント
 子どもに多い症状とその対応  
【第11回】
 事故予防とその対応 
 保育技術(お世話)~睡眠、排泄、清潔 
【第12回】
 産後ケア、病児・病後児保育
【第13回】
 特別に配慮を要する子どもへの対応
【第14回】
 一般型家庭訪問保育の業務の流れ
 さまざまな家庭訪問保育
【第15回】
 まとめ