Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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教育史A(日本教育史) 佐藤 高樹
選択必修  2単位
【教育】 17-1-1334-1849-14A

1. 授業の概要(ねらい)

 教育学部選択必修科目(教育学系科目)である本科目は、〈教育の歴史〉という視座から、日本の社会的・文化的特色を理解することをねらいとしている。
 本年度は、〈教師の歴史〉をメインテーマとして、近現代の日本における教育のあゆみを学んでいく。『日本の教師』(ぎょうせい、全24冊)をタネ本としつつ、教育観・教師観の歴史的変遷をたどり、日本における教育遺産(教育論・教師論の豊かな蓄積)の再認識をめざす。歴史上における教師たちの思想や実践に触れることで、受講生各自が自身の教育観・教師観を鍛えることを促していく。
 また、各時代における教育の制度や実践、慣行等について補足することで、これまでに学んできた日本史の知識へのさらなる肉付けを行い、受講生の歴史認識の充実化をはかっていく。

2.
授業の到達目標

 (1)近代各期に展開された教師の思想・実践を読むことを通し、教育観・教師観に関する理解を深める。
 (2)各時代における教育事象の歴史的特質について、自分なりの補助線をひきながら理解、表現することができる。

3.
成績評価の方法および基準

 授業参加度~毎回のリアクション・ペーパーの提出状況、発言・発表~(70%)、およびレポートの成績(30%)から総合的に判断する。

4.
教科書・参考書

 テキスト:指定しない。授業中に配布する資料(『日本の教師』からの抜粋)を読んで、授業に参加する。
 参考文献:木村元『学校の戦後史』岩波新書、2015年。
      山田恵吾編著『日本の教育文化史を学ぶ―時代・生活・学校―』ミネルヴァ書房、2014年。

5.
準備学修の内容

 (1)配布資料を事前に読み進め、不明な点、もっと知りたい箇所などをチェックして授業に臨むこと。リアクション・ペーパーや授業を活用して、積極的に担当教員に質問してほしい。
 (2)MELICに所蔵されている『日本の教師』を積極的に借りて、自主的に読み進めてほしい。

6.
その他履修上の注意事項

 (1)“自分にとって教育の歴史を学ぶ意味とは何か”、“自分の住む地域・出身地域にはどんな独自の教育の歴史があるのか”など、自分なりの問題意識を持って受講すること。
 (2)リアクション・ペーパー、レポートなど課題の提出が頻繁に求められる。学生には主体的に参加する姿勢が求められる。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション―教育の歴史を学ぶ意味―
【第2回】
 歴史を身近に感じるには(1)―教育史研究のきっかけを探る―
【第3回】
 歴史を身近に感じるには(2)―歴史教育と歴史研究をつなぐ―
【第4回】
 日本における「学校」の成立と受容―基本事項をおさえる―
【第5回】
 国家の規範と教職の理念
【第6回】
 授業・カリキュラムをつくる試み(1)
【第7回】
 授業・カリキュラムをつくる試み(2)
【第8回】
 生活者・労働者としての教師
【第9回】
 戦争のための教職
【第10回】
 戦後教育改革―基本事項をおさえる―
【第11回】
 教師像の模索と再生・創造―敗戦と民主化への転換―
【第12回】
 高度経済成長の中の教職
【第13回】
 教師としての成長とその契機(1)―新任教師の世界―
【第14回】
 教師としての成長とその契機(2)―学校をこえて―
【第15回】
 まとめの議論
 (※受講者の関心に応じて、内容を柔軟に変更することがある。)