考古学の主な研究対象は住居・墓穴などの遺構、土器・石器などの遺物である。これらの資料を記録し、活用するためにはさまざまな知識と技術を必要とする。そこで実際の資料をもとに、それらの知識と技術を学ぶことを本科目の目的とする。 秋期では、縄文土器模様原体復元・拓本を行なう。縄の復元ではかなり複雑な操作が必要である。これによって土器の製作から廃棄にいたる過程で付与された諸属性を抽出し、そこから縄文人の思考・行動の内容を復元する。この操作は、縄文土器ならず、すべての遺物に共通する検討方法であることを学んでほしい。春期の石器の検討方法も同様である。また、野球指導書を読んでも、すぐにヒットを打てないように、道具の製作・使用技術は身体の記憶・知識(言語では置き換えが困難な記憶・知識)を基盤としていることを理解してほしい。室内での実習に加えて、キャンパス内での資源探索を行ない、利用可能な植物資源の採集を行なう。
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