Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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西洋史籍講読1- III 森谷 公俊
選択必修  2単位
【史】 17-1-1340-0538-13A

1. 授業の概要(ねらい)

 古代ギリシアの代表的な古典作品を読み、一字一句にこだわりながら、歴史的背景をふまえて自分なりの解釈ができるようにする。取り上げる4つの作品はいずれも、人間はなぜ生きるのか、幸福とは何か、運命をどう受け止めるのか、知的活動は何のためにあるのかといった、根本問題を提起している。ギリシアの古典を通して、こうした人文科学本来の大きな問題に向き合い、深く考察する力を身につけてもらいたい。

2.
授業の到達目標

 古典作品を読みながら、読む・書く・聴く・討論する・発表するという、日本語の基本的な運用能力を身につけること。

3.
成績評価の方法および基準

 討論への参加と課題レポートの発表による

4.
教科書・参考書

 プラトン『プロタゴラス』光文社古典新訳文庫
 ソポクレス『オイディプス王』岩波文庫
 ソポクレス『アンティゴネ』岩波文庫
 プラトン『ソクラテスの弁明・クリトン』講談社学術文庫

5.
準備学修の内容

 次回の予習課題を必ずこなしてくること。
 発声練習を自宅で毎日行うこと。

6.
その他履修上の注意事項

 授業の冒頭で発声練習を毎回行うので、声を出すのが嫌いな者は決して受講しないこと。
 90分間を通じて、ぼんやりしている暇は一切ないので、集中力を切らさないこと。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 オリエンテーション
  古代ギリシア史概説とテキスト解説
【第2回】
 『プロタゴラス』(1)
  ソフィストとは誰か
【第3回】
 『プロタゴラス』(2)
  人類誕生の神話をめぐって
【第4回】
 『プロタゴラス』(3)
  徳は教えられるか
【第5回】
 『プロタゴラス』(4)
  幸福の条件は何か
【第6回】
 『オイディプス王』(1)
  オイディプスの真実とは何か
【第7回】
 『オイディプス王』(2)
  神託はなぜ成就したのか
【第8回】
 『アンティゴネ』(1)
  アンティゴネ対クレオン
  クレオン対ハイモン
【第9回】
 『アンティゴネ』(2)
  テイレシアス対クレオン
  アンティゴネの嘆きの台詞
【第10回】
 『アンティゴネ』(3)
  アンティゴネとハイモンの最期
【第11回】
 『ソクラテスの弁明』(1)
  裁判の背景、起訴内容の正当性をめぐって
【第12回】
 『ソクラテスの弁明』(2)
  デルフォイの神託とソクラテスの活動
【第13回】
 『ソクラテスの弁明』(3)
  アテネ市民はなぜ死刑判決を出したのか
【第14回】
 『ソクラテスの弁明』(4)
  アリストパネス『雲』におけるソクラテス像
【第15回】
 課題レポートの発表会
  4つの作品から1つを選び、提示された課題について発表する