Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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日本史籍講読3- IV 深谷 幸治
選択必修  2単位
【史】 17-1-1340-1602-19A

1. 授業の概要(ねらい)

 この日本史籍講読3C-Ⅱでは、前期のⅠと同様に、日本中世の史料を中心とし、その前後の時期の史料までをも併せて解読していくものである。進行方式も前期に準ずる。すなわち受講学生にはグループを構成してもらい、そのそれぞれが担当する史料を決め、その意味を解読し、語句や成立の時代背景などを調査して説明する。読みについては、担当グループ以外の受講学生にも、全体の購読能力の向上をはかるため、適宜指名して読んでもらうことになる。
 受講希望学生は、ある程度以上の漢字判読能力や古典文法・漢文法の知識が必要となる。

2.
授業の到達目標

 過去の人々が実際に書いた史料、つまり手紙・日記・行政文書等や文学作品を解読することによって、当時の社会実態を眼前にするように知ることができ、またそれによって学生自身の専攻分野での報告内容作成や、卒業論文のための情報収集・解読・分析能力を高めることも目標とする。

3.
成績評価の方法および基準

 出席は成績評価の前提となる必要条件である。それを満たした上で、後期授業の最後に実施する試験の解答内容を勘案して、成績を評価する。

4.
教科書・参考書

 テキストは使用しない。解読に必要な史料は、担当教員が毎回プリントを作成して配布する。

5.
準備学修の内容

 和風漢文・古文またはそれらの混交文、そして漢字の旧字体が読み解釈すべき対象なので、それらを読み解ける能力が要求される。そのためにこの授業と並行して古文書学の授業を受講したり、あるいは関連書籍を多く読んだりしておくことが必要。また高校時代の古典文法・漢文の教科書などを取り寄せて、十分にその内容を復習しておくことが有効であろう。

6.
その他履修上の注意事項

 後期に少なくとも1回以上は報告が当たるので、その際にはグループ別に解読や調査の内容を記載したプリント(レジュメ)を作成して配布することが必要になる。初回のグループ分けには必ず出席すること。
 なお下の授業内容はあくまで予定であり、状況によっては変更されることもあるので、承知しておいてもらいたい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス。史料解読・報告上の様式・注意点などを説明する。またグループ分けや担当史料の割り振りを行う。
【第2回】
 中世古文書学の基礎的な講義を行う。
【第3回】
 以下順次割り当てに従って、グループ別の報告をしてもらう。1回目は室町時代の公家日記、満済准后日記など。
【第4回】
 グループ報告2回目。室町時代の関東の記録、香蔵院珍祐記録など。
【第5回】
 グループ報告3回目。戦国時代初期の日記、経覚私要鈔など。
【第6回】
 グループ報告4回目。戦国時代初期の日記、親長卿記など。
【第7回】
 グループ報告5回目。戦国時代の村落史料、菅浦文書など。
【第8回】
 グループ報告6回目。戦国時代の大名家法、今川仮名目録など。
【第9回】
 グループ報告7回目。戦国時代の大名家文書、武田家文書など。
【第10回】
 グループ報告8回目。戦国時代の大名家文書、伊達家文書など。
【第11回】
 グループ報告9回目。安土・桃山時代の軍記物、太閤記など。
【第12回】
 グループ報告10回目。江戸時代の武家日記、鸚鵡籠中記など。
【第13回】
 グループ報告11回目。江戸時代の史論書、読史余論など。
【第14回】
 中世・近世古文書学の講義を行う。
【第15回】
 以上のまとめと試験。