Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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卒業演習(西洋史5)- II 石川 敬史
選択必修  2単位
【史】 17-1-1340-4649-20A

1. 授業の概要(ねらい)

 アメリカ社会思想の強い特長となっているのが福音主義思想である。この授業では、アメリカ・ピューリタニズムの歴史についての代表的研究論文を読み、アメリカ合衆国の宗教思想を理解するとともに、その読解を通して、研究論文の書き方、史料の探し方、適切な引用方法などを学ぶ機会とする。

2.
授業の到達目標

 アメリカ福音主義思想とはどのようなものであるかを理解する。
 学術論文の読み方を習得する。
 口頭報告の方法を習得する。
 知見をレジュメにまとめる技術を習得する。

3.
成績評価の方法および基準

 討論への参加姿勢への評価50%
 レジュメ報告への評価25%
 授業にもとづくレポート課題への評価25%

4.
教科書・参考書

 森本あんり『アメリカ的理念の身体―寛容と良心・政教分離・信教の自由をめぐる歴史的実験の軌跡』(創文社、2012年)

5.
準備学修の内容

 受講者は、授業日に精読する章を事前に読み込み、自分のコメントを用意する。
 受講者は必ず複数回の報告を担当するので、報告担当になった場合は、担当箇所のレジュメを用意する。

6.
その他履修上の注意事項

 読むこと、考えること、自分の考えを言葉で伝えられること、明瞭に書くこと、これらが人生を切り開く方法であることを自覚していただきたい。この授業をこうした能力の獲得の場ととらえて積極的に活用してほしい。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 ガイダンス
 課題図書についての解説、授業の運営方針の説明をする。併せて報告者の割振りを行う。
【第2回】
 アメリカ・ピューリタニズムの歴史に関する概説的講義
【第3回】
 第一章「中世的寛容論から見た初期アメリカ社会の政治と宗教」講読
 報告者による報告と内容検討
【第4回】
 第二章「「誤れる良心」と「愚行権」―中世から近世への神学的系譜」講読
 報告者による報告と内容検討
【第5回】
 第三章「誤れる良心」と「偽れる良心」をどう扱うか―現代寛容論への問いかけ」講読
 報告者による報告と内容検討
【第6回】
 第四章「人はなぜ平等なのか―平等の根拠としての「良心の自由」」講読
 報告者による報告と内容検討
【第7回】
 第五章「初期アメリカ社会における政教分離論の変容と成熟」講読
 報告者による報告と内容検討
【第8回】
 第六章「ロジャー・ウィリアムズの孤独―規範原理としての分離主義と構成原理としての寛容主義」講読
 報告者による報告と内容検討
【第9回】
 第七章「さまよえる闘士―ロジャー・ウィリアムズ評価の変遷と今日の政教分離論」講読
 報告者による報告と内容検討
【第10回】
 第八章「教会職と政治職―兼任の禁止と解禁の論理」講読
 報告者による報告と内容検討
【第11回】
 第九章「プロテスタント的な大学理念の創設―初期ハーヴァードのリベラルアーツと神学教育」講読
 報告者による報告と内容検討
【第12回】
 第一〇章「ジョナサン・エドワーズと「大覚醒」の研究史」講読
 報告者による報告と内容検討
【第13回】
 第一一章「反知性主義の伝統と大衆リヴァイヴァリズム」講読
 報告者による報告と内容検討
【第14回】
 第一二章「キリスト教の女性化と二〇世紀的反動としての男性化」講読
 報告者による報告と内容検討
【第15回】
 総括講義と質疑応答。レポート課題の確認。