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授業の概要(ねらい) |
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思春期・青年期が心理学の対象になったのは、20世紀初頭であると言われている。1930年代に米国をはじめとする欧米諸国において青年期の延長の問題が論じられるようになっていった。日本では明治時代になって西洋の考え方が取り入れられ、夏目漱石の小説などに近代的な自我に直面した青年の迷いが描かれているが、明治時代にこうした問題に直面した青年はほんの一部であり、本格的に青年期に着目されるようになったのは第二次世界大戦が終了し経済成長が始まった1960年以降であると言われている。青年期が取り上げられるようになってまだ数十年なのである。それにもかかわらず、青年期という時期はあらゆる人の関心を惹きつける魅力的な学問領域である。この新しい学問分野である青年期について、臨床心理学的かつ精神分析的視点から取り組みたいと考えている。
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2. |
授業の到達目標 |
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青年期の意味について考え、自分の意見を述べることができる。
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3. |
成績評価の方法および基準 |
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リアクションペーパー20%、試験80%
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4. |
教科書・参考書 |
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参考文献 乾吉佑(2009)『思春期・青年期への精神分析的アプローチ―出会いと心理臨床』遠見書房 ウィニコット著牛島・倉訳(1998)『精神分析的探究3子どもと青年期の治療相談』岩崎学術出版社
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5. |
準備学修の内容 |
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青年期のみならず、人間の生涯発達について興味関心を抱き、論文や書物にあたること。 提示した文献を読み、理解しようと努めること。
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その他履修上の注意事項 |
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積極的に学び、主体的に考えることができるようにすること。 授業内で調査を依頼することがある。
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7. |
各回の授業内容 |
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【第1回】 | 青年期の魅力について考察する | 【第2回】 | 子どもは変化したのか? | 【第3回】 | 思春期の心身の発達について学ぶ | 【第4回】 | 思春期のこころと病理について学ぶ | 【第5回】 | スクールカウンセリングついて学ぶ | 【第6回】 | 青年期の対人関係について学ぶ | 【第7回】 | 青年期の自我同一性について学ぶ | 【第8回】 | 大学生のメンタルヘルスについて学ぶ | 【第9回】 | 学生相談の臨床について学ぶ | 【第10回】 | 大学生の発達障害について学ぶ | 【第11回】 | 青年期の精神病理を学ぶ①精神疾患 | 【第12回】 | 青年期の精神病理を学ぶ②インターネット依存 | 【第13回】 | 青年期から成人期に向けて | 【第14回】 | まとめと試験 | 【第15回】 | 試験解説 |
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