Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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比較行動学 II 草山 太一
選択  2単位
【教育】 17-1-1360-1785-11A

1. 授業の概要(ねらい)

 ヒト以外の動物がどのように世界を認知しているか、その能力を比較検討する領域は、比較認知科学と呼ばれている。比較行動学IIでは、記憶、社会的認知、社会的知性などさまざまな動物の認知機能に関する研究内容を紹介する。

2.
授業の到達目標

 ヒト以外の動物の認知能力を知ることは、ヒトを理解する一助となる。さまざまな動物の認知能力およびその研究手法を知ることによって、私たちヒトの行動特性および能力を比較検討することを目的とする。また、比較認知科学に関する基礎知識を習得する。

3.
成績評価の方法および基準

 期末試験で評価する。

4.
教科書・参考書

 テキスト:使用しない。
 参 考 書:渡辺茂『ハトがわかればヒトがみえる―比較認知科学への招待―』共立出版
      藤田和生『比較認知科学への招待―「こころ」の進化学』ナカニシヤ出版  
      日本動物心理学会 監修『動物たちは何を考えている?−動物心理学の挑戦−』技術評論社

5.
準備学修の内容

 関連する文献や映像資料を参照し、理解を深める。

6.
その他履修上の注意事項

 積極的な講義への参加を期待する。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション
 授業内容について説明する。
【第2回】
 比較認知科学の研究方法
 動物の心に関する研究がどのように行なわれてきたのか、背景や歴史について学ぶ。
【第3回】
 行動の獲得方法(1)
 レスポンデント条件づけについて学ぶ。
【第4回】
 行動の獲得方法(2)
 オペラント条件づけについて学ぶ。
【第5回】
 記憶(1)
 ヒトとヒト以外の動物の比較研究を通じて、記憶することについて学ぶ。
【第6回】
 記憶(2)
 ヒトとヒト以外の動物の比較研究を通じて、忘却(覚えたことを忘れること)や脳と行動の関係について学ぶ。
【第7回】
 概念形成
 ヒトとヒト以外の動物の比較研究を通じて、概念の形成方法に関する方略を学ぶ。
【第8回】
 社会的認知(1)
 同種の他者を認識することについて学ぶ。
【第9回】
 社会的認知(2)
 鏡に映った自分の姿を自己と認識する能力(自己鏡映像認知)について学ぶ。
【第10回】
 洞察・道具使用(1)
 ヒト以外の動物の問題解決の方法について学ぶ。
【第11回】
 洞察・道具使用(2)
 社会的道具使用について学ぶ。
【第12回】
 知識の継承
 知識はどのように伝搬するか、いくつかの動物例から説明する。
【第13回】
 協力・利他行動の進化
 動物の協力行動について学ぶ。
【第14回】
 社会的知性
 なぜ私たちは大きな脳を持っているのか?という疑問について、社会的知性仮説から説明する。
【第15回】
 まとめ