Web Syllabus(講義概要)

平成29年度

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比較行動学 I 草山 太一
選択  2単位
【教育文化】 17-1-1360-1785-16A

1. 授業の概要(ねらい)

 特に自然状況下での動物の行動について、行動の機能や個体発生・系統発生(進化)などの観点より研究する学問領域は比較行動学と呼ばれている。ヒト以外の動物の生態や能力を知ることは、ヒトを理解する一助となる。さまざまな動物の行動および生態について、繁殖および社会性の視点から概説する。

2.
授業の到達目標

 動物は、生息環境やその集団の持つ事情によって自身の行動を変化させてきた。さまざまな動物例を比較検討することによって、私たちヒトの行動特性について考えてみることを目的とする。また、比較行動学に関する基礎知識を習得する。

3.
成績評価の方法および基準

 期末試験で評価する。

4.
教科書・参考書

 テキスト:使用しない。
 参 考 書:伊藤嘉昭『新版 動物の社会―社会生物学・行動生態学入門』東海大学出版会

5.
準備学修の内容

 関連する文献や映像資料を参照し、理解を深める。

6.
その他履修上の注意事項

 積極的な講義への参加を期待する。

7.
各回の授業内容
【第1回】
 イントロダクション
 授業内容について説明する。
【第2回】
 行動研究の歴史と方法
 動物を対象とした研究がどのように行なわれてきたのか、背景や歴史について学ぶ。また動物の行動に関する研究手法について説明する。
【第3回】
 行動の獲得(1)
 本能もしくは学習に基づく行動について説明し、特に遺伝的要因に基づくと考えられている行動について学ぶ。
【第4回】
 行動の獲得(2)
 経験によって獲得する行動について、刻印づけを中心に学ぶ。
【第5回】
 行動の獲得(3)
 経験によって獲得する行動について、模倣や行動の伝搬について学ぶ。また、「ティンバーゲンの4つのナゼ」を説明し、行動の生起要因に関する研究アプローチについて学ぶ。
【第6回】
 信号・ディスプレイ(1)
 個体が発する信号やディスプレイの意味について学ぶ。
【第7回】
 信号・ディスプレイ(2)
 託卵を具体例にディスプレイが持つ機能について学ぶ。
【第8回】
 群れの形成(1)
 動物が群れを形成する理由について学ぶ。
【第9回】
 群れの形成(2)
 最適な群れのサイズについて学ぶ。
【第10回】
 群れの形成(3)
 群れの形成となわばりの関係について学ぶ。
【第11回】
 性淘汰(1)
 動物の配偶システムの種類について学ぶ。また、「ティンバーゲンの4つのナゼ」を元に、なぜ多くの動物でオスとメスの有性生殖が認められるか考えてみる。
【第12回】
 性淘汰(2)
 配偶システムの違いについて子育ての観点から学ぶ。
【第13回】
 性淘汰(3)
 性内淘汰と性間淘汰について学ぶ。
【第14回】
 性淘汰(4)
 性淘汰と支える仮説について学ぶ。
【第15回】
 まとめ